[ポスターS-9-2] 面会制限下における精神科入院患者の家族の満足度調査
Keywords:コロナ感染、精神科入院患者、家族、面会制限、満足度
【目的】コロナ感染拡大で面会時間と人数の制限の中で精神科入院患者の家族の満足度を明らかにすることを目的とした。【方法】精神科病院入院患者の家族を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。調査内容は年齢と性別。外来受診時とリハビリ及び内服治療を満足から不満足の 5 段階で回答を求めた。対応では看護師と介護士の身だしなみとマナー、礼儀正しさ、看護師の傾聴と説明、職員の約束やナースコールへの対応を満足(4 点)から不満足(1 点)の 4 段階で回答を求めた。入院環境は、病室、浴室、夜間の静かさ、室温とプライバシーへの配慮、売店、駐車場、院内表示、食事と入院生活全体、ホームページの見やすさの満足度を 4 段階で回答を求めた。生活への配慮は、トイレや入浴、爪への配慮、痛みと治療変更時の説明への満足度を 4 段階での回答を求めた。調査票の配布は面会時に手渡し、回収は投函用回収ボックスを設置した。調査回答は自由意志で個人特定されないこと、回収をもって同意とすることを調査票に明記し、A病院倫理委員会で承認を得た後調査を開始した。【結果】配布 172 名で回収 56 名(32.6%)。平均年齢 62.6 ± 13.5 歳。男性 18 名(32.1%)、女性 30 名(53.6%)であった。看護師と介護士の身だしなみやマナーへの満足は、満足とまあまあ満足を合わせると 9 割近くが満足と回答し、看護師と介護士の礼儀正しさは、満足とまあまあ満足を合わせると 6 割以上が満足していると回答していた。しかし、看護師の傾聴と説明への満足度は、傾聴で 25 名(44.6%)と低く、説明への満足度は 23 名(41.1%)と身だしなみやマナー、礼儀正しさと比較して低い結果となった。治療変更時の対応の満足も 19 名(33.9%)が満足と回答し低い結果となった。【考察】看護師と介護士の接遇や入院患者の身の回りのケアへの満足度は高い傾向であったが、治療経過や治療変更時の説明についての満足度は低かった。このことは、今まで家族が患者に面会して直接把握できていたことを、面会制限によってそれが満足には繋がらなかったと考える。今後患者の日常を家族に届けられる方法にメッセージカードや SNS なども含めた検討が必要であると考える。