第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 札幌

Presentation information

ポスター

ポスター9群:新型コロナウイルス感染症下の看護管理

Fri. Sep 2, 2022 12:30 PM - 1:30 PM ポスター会場 (206)

座長:須藤 礼子

[ポスターS-9-5] COVID-19 患者受け入れに伴い閉鎖された病棟看護師の長期におけるリリーフ体制の現状と課題

浅田 志織1, 中村 友梨1, 大隅 由季子1, 中木 里美2 (1.大和高田市立病院, 2.姫路大学)

Keywords:リリーフ、長期、COVID-19

【目的】COVID-19 患者受け入れに伴い、3 病棟が一部閉鎖となり閉鎖された病棟看護師は長期に及ぶリリーフ体制を経験した。自部署とは違う環境で業務を行うことに負担感や戸惑いがあった。リリーフ看護師が安心して働くために現状と課題を明らかにする。【方法】長期リリーフ体制を経験した看護師 54 名へ療養上のケア(体位変換、清拭、食事介助)、診療の補助(血糖測定、尿量測定、点滴の読み合わせ、配薬)、環境(タイムスケジュール、物品の場所)についてアンケート調査を実施した。診療の補助、環境については経験年数と毎日同じ部署、違う部署へリリーフに行った群でχ2乗検定を用いて比較分析を行った。調査対象者に研究内容、研究の参加は自由意思によるものであること、参加を拒否した場合や回答内容により不利益は何も生じないこと、回答は本研究以外には利用しないことを文書で説明し同意を得て調査を行った。【結果】対象看護師 47 名(回収率 87%)。療養上のケアでは患者の安静度や禁忌肢位について「わからない」との回答が 50%以上であり患者情報を得るための表記を要望する意見が多数あった。診療の補助では「わかる」が 62%、「わからない」が 36%、環境では「わかる」が 40%、「わからない」が 58%であった。経験年数の比較では、環境(P=0.002)で有意差を認めた。臨床経験の浅い看護師からは「オリエンテーションがないまま業務を行い、他部署の動きを知らない」という意見があった。毎日同じ部署、違う部署へリリーフに行った群での比較でも環境(P=0.06)で有意差を認める傾向であった。【考察】療養上のケアをする際はベッドサイドに表記されている安静度や禁忌事項から情報を得ている看護師が大半であった。しかし、表記内容や方法が統一されておらず、患者情報をリリーフ先の看護師に確認する必要があった。そのため正確な患者情報の表記内容や方法を院内で統一する必要がある。診療の補助を行う際は院内で統一された看護技術手順や処置手順があるため業務を行うことができる。しかし、環境については病棟毎に物品の場所やスケジュールが異なることで業務が滞り、困惑するため病棟毎にオリエンテーションを行うことが重要である。またリリーフ看護師にPNSⓇを活用することで業務の相談や情報を共有することができるため、リリーフ看護師は安心して働くことができると考える。