[口演S-2-1] 二交代制夜勤看護師の仮眠後の眠気解消の試み
-アロマオイル使用条件の再検討-
Keywords:夜勤、仮眠、眠気、アロマオイル
【目的】アロマオイルの使用により夜勤看護師の仮眠直後の眠気改善を図り、その効果を明らかにする。【方法】所属施設の倫理委員会相当の機関による審査、承諾を受けたうえで本研究を行った。1. 調査期間と対象:2021 年 7 月~ 9 月に A 病院B 病棟の夜勤業務に従事する看護師18 名。2. 調査方法:ペパーミントアロマオイルを使用し、アロマオイル未使用時(以下、非介入群とする)とアロマオイル滴下マスク使用後(以下、介入群とする)の眠気の変化を、前研究者が作成した調査票を一部修正し調査した。眠気調査の手順については、プロトコルを作成し方法の周知を図った。眠気の評価にはスタンフォード眠気自己尺度とVAS を使用した。いずれも、得点が高いほど眠気の度合いが強いことを示す。また、眠気以外に、仮眠時間帯、血圧、脈拍数、業務の繁忙度、実際の仮眠時間、夜勤前直近の睡眠時間を調査した。3. データ分析方法:正規性を確認後、スタンフォード眠気自己尺度とVASを使用した眠気の評価の各群の仮眠直後と仮眠終了 5 分後の眠気の得点差を比較するため、マンホイットニー U 検定を行った。【結果】各群の繁忙度の差は 2.18 と介入群が高く、仮眠時間の平均値差は 7 分程度であった。スタンフォード眠気自己尺度では、仮眠直後と仮眠終了 5 分後の得点において介入群のみ有意差があった。VASスケールを用いた眠気の平均値においても、仮眠直後と仮眠終了 5 分後の差を比較すると有意差があった。仮眠前とアロマオイル使用 5 分後の血圧、脈拍数の有意差はなかった。対象者からの調査に対する意見を聴取した結果、「ペパーミントの香りを強く感じスッキリした」という意見があった。【考察】各群の仮眠時間差はおよそ 7 分程度と大差はなく、眠気の調査では繁忙度が高かった介入群の方で有意差がみられたことから、仮眠時間の長短や繁忙度の高低差に関わらず、ペパーミントオイルを使用することで仮眠直後の覚醒効果を示すことができたと考える。しかし、アロマオイルは覚醒効果を得られるとされている精油も数多い。これを踏まえて、性別差や嗜好などの個人差を考慮して香りの種類を変更することによって、更に高い覚醒効果を得られる可能性も考えられる。また、本研究においては介入群の仮眠前とアロマオイル使用 5 分後の血圧、脈拍数に有意差はなく自律神経系への明らかな影響はなかったと考えられる。