[口演S-2-5] X 病院における勤務帯リーダー役割習得に焦点をあてた事前学習支援の効果
Keywords:勤務帯リーダー、役割習得、看護師、教育事前学習
【目的】X 病院における勤務帯リーダー役割習得に焦点をあてた事前学習支援の効果について明らかにする。【方法】1)研究デザイン:半構造化面接を用いた質的研究。2)データ分析方法:データは逐語録としてデータ化し、意味内容の類似性に基づきデータを分類・整理しカテゴリを抽出した。3)研究対象者:勤務帯リーダーを初めて実施する病棟の看護師 6 名。X 病院が作成した勤務帯リーダー事前学習 9 項目を実施していること。【結果】得られたデータは 224 のコードから 22 のサブカテゴリと 2 つのカテゴリに抽出した。抽出したカテゴリは 1. 勤務帯リーダーの役割要素 2. 勤務帯リーダーに関する不安であった。勤務帯リーダーの役割要素では「勤務帯リーダーの具体的行動の標準化」「役割習得における習熟・習得要件の必要性」「成長段階を意識した学習の重要性」「系統的学習と支援の必要性」「自律を支援する為の職場風土」「自律を支援する過程でのリフレクションの必要性」「自律に向けたフォローアップ体制と研修の必要性」「成功体験」「自己のキャリアビジョンと向上心」であった。勤務帯リーダーに関する不安では「動機付け不足に関する不安」「医師へ伝達・依頼、指示受けする事に関する不安」「情報共有とスタッフ指示に関する不安」「多職種との情報交換と確実な業務遂行に関する不安」「スタッフの動向観察に関する不安」「優先順位・時間切迫に関する不安」「多重課題と具体的連携のイメージ不足に関する不安」「患者の個別性・潜在的問題点抽出に関する不安」「経験・知識・指導不足に関する判断への不安」「正確な情報共有と報告に関する不安」「ベッドコントロールの適正実施に関する不安」「勤務帯リーダーの自律・目標達成に関する不安」「メンバーとしての経験・知識不足の為勤務帯リーダーを実施する事への不安」であった。【考察】1. 対象の属性に関わらず勤務帯リーダー導入に関する強い不安を抱いていた対象者が多かった。その要因は、勤務帯リーダー役割の理解、看護実践内容、医師・メンバー・多職種との連携等のイメージ不足が伺えた。2. 勤務帯リーダー事前学習ではイメージや業務内容が漠然としている対象者が多かった。その為、時期や習得状況を鑑みた具体的行動に関する指導やイメージが湧く動機付けが重要であった。3. 勤務帯リーダー自律を支援するには、フォローアップ体制とリフレクションが必要であった。