[口演S-2-4] ラダー取得後、看護実践での活用についての実態調査
Keywords:日本赤十字社、キャリア開発ラダー、実態調査
【目的】本研究では、ラダー取得後の看護実践での活用について調査を行い、キャリア開発ラダー取得に対する看護師の取り組みと意識向上に繋げる事を目的とする。【方法】研究期間は 2021 年 5 月から 7 月。研究対象は A 病院の正規職員 68 名。研究場所は A 病院。データの収集方法として、ラダー教育について選択式と自由記載によるアンケート調査を実施した。データの分析方法としては、23 項目それぞれ単純集計を行い、表を用いた分析を行った。質問紙調査としては、研究の目的等前述した書面で説明し質問紙への回答、投函を以て研究に同意したとみなした。【結果】1. 有効回答数は 54人(87.0%)であった。2. A 病院で働く看護師の概要として、平均年齢 37.7 ± 8.75(mean ± SD)歳。平均臨床経験年数は 14.4 ± 8.81(mean ± SD)年であった。性別別にみると女性が 62 人(91.1%)であった。家庭環境としては、独身 24.1%夫婦 2 人暮らし 9.6%、子供と夫婦 58.0%、その他 8.3%という結果になった。3. アンケート調査によりキャリア開発ラダーを教育システムだと全員が知っているという結果になった。一方で、取得しているラダーが自分に値するか否かという質問に対し、約 30%が「いいえ」との回答であった。4. 今後もキャリアアップを望むスタッフが全体の約 50%となることが分かった。5. 将来のビジョンについては、自己研鑽に努める看護師や看護師として働いた後のビジョンも視野に入れて行動していることが分かった。【考察】結果 2 よりエリクソンの漸成的発達理論の中でも成人期にあたる看護師が多く在籍していることがわかる。子育て世代も多いため、キャリア開発とライフスタイルや年齢、家庭環境は深く密接していることが考えられる。また、今回のアンケート調査により実際のキャリアアップとキャリア開発ラダーの取得については各自のライフスタイルや行動に移せない背景があり、キャリア開発ラダーを活用しきれていない現状があることがわかった。また結果 3 よりもっと自分はやれるのではないかと現状に満足していない看護師もいるのではないかと考えられる。今回は客観性に欠けたと反省の残る結果となったが、本研究成果を活用し、キャリア開発ラダーに対する意識向上に努め、最終的には A 病院看護師の提供する看護の質の向上につながればと考える。