第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演11群 看護職間・他職種との協働①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM 第8会場 (G314+G315)

座長:津島 準子

[口演Y-11-5] 看護師と看護補助者の連携強化による質の高いケアの提供

―タスクシフトに伴う看護補助者の体位変換技術の向上―

大橋 篤展, 大橋 幸枝, 濵田 秀美 (AOI 名古屋病院)

Keywords:タスクシフト、看護補助者、体位変換

【目的】経管栄養前の体位変換技術不足による不適切な体位は、患者の嘔吐を誘発する上、看護師が体位を整え直すことに時間を要し、経管栄養開始の遅延も引き起こしている。そこで、本研究は看護補助者(以後補助者)の体位変換技術の向上を目的に実施した。【方法】研究期間は令和4年10月~令和5年4月。対象が所属する療養病棟は47床で、看護師12名と補助者12名(うち外国人スタッフ7名)が在籍している。経管栄養を行っている患者は常時20名程であり、補助者が経管栄養前にオムツ交換及び体位変換を行っている。初めに、体位変換時の注意点(良肢位の確認、クッションやルート類の位置、服の皴が無いか等)を記載した評価表を作成し、補助者全員への教育としてこれらの注意点に関する説明を行ったのち、1期目は各補助者の現状の技術を評価表に沿って複数回実施した。2期目は補助者が体位を整えたのち、看護師が適切に行えているか確認し、不十分な箇所はその都度補助者に説明しながら体位を直して実施。3期目は三か月の間隔をおいて補助者のみで実施。1期目から3期目までの評価を量的に集計した。評価はA「とても良い」B「良い」C「もう少しです」D「やり直し」の4段階とし、病棟師長が全ての評価を行った。倫理的配慮として、全補助者に本研究への参加・不参加により不利益を被らないことや、結果の公表と個人情報の保護についての説明を行い、同意を得た。【結果】体位変換の評価場面の累計は、1期目34回、2期目33回、3期目50回であった。1期目はAとBの割合20.5%であったが、2期目は54.5%に増加した。特に修正点が見当たらないというA評価も1期目には全く無かったのが21.2%まで増加した。3期目は、Dは21.2%から16.0%へと微減したものの、AとBは36.0%に減少し、Cが24.2%から48.0%へ増加した。【考察】1期目から2期目にかけては総じて評価の上昇が見られ、ベッドサイドで看護師とともに体位変換を実施し指導を受けたことで、より理解が深まり体位変換技術の向上に繋がったと考えられた。しかし、看護師の直接指導がない3期目の評価は下がり、補助者だけでは十分な技術が定着しなかったと考えられた。技術が定着しなかった原因が記憶や意識の定着によるかの判別も含め、今後も補助者に定期的に評価を行い、技術向上を図る取り組みをしていく必要がある。