第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演12群 看護職間・他職種との協働②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM 第8会場 (G314+G315)

座長:井戸沼 由美子

[口演Y-12-1] 看護補助者のキャリアアップの構築に向けて

―看護補助者ラダーを通してやりがいにつなげる―

河野 小百合, 井好 昭博, 小柳 優美子 (潤和会記念病院)

Keywords:看護補助者、キャリアアップ、ラダー

【目的】2016年度診療報酬改定により看護補助者の活用に関する制度が整備され、活用が推進されている。看護管理者は、看護職及び看護補助者が能力を発揮し働き続けられる環境を整えることが求められている。A病院は、看護補助者が働き続けるために採用時のオリエンテーションの充実や、ラダーを作成し申請することで、やりがいにつながるような教育体制の構築を図っている。しかし、離職率の増加や採用応募が少なく雇用形態の調整が必要な状況である。そのため、看護補助者が感じているやりがいや課題、勤務継続のための要因を明らかにすることを目的とした。【方法】A病院の看護補助者、入職6ヵ月以上でケアプロセスを受けた35名を対象とした。期間は2023年1~2月。属性(年齢・性別・勤務年数)と感じているやりがいや課題、勤務継続のための要因について質問紙調査を実施した。倫理的配慮として、協力の任意性と匿名性を保証し、同意下のみで回答を求めた。本研究はA病院看護部倫理審査会の承認を受け実施した。【結果】回答率は100%。勤務年数は、1年未満5、1~4年34.2、5~9年28.5、10年以上28.5、未回答2.8%だった。やりがいについて「患者・家族に感謝され、認められている」88.5、「人と接する仕事の魅力を感じる」88.5、「個人の力が認められ対等に働けている」62.9%だった。業務の現状として「業務を行う上での情報共有に問題を感じている」85.7、「看護師の指示はわかりやすい」91.4、「看護師に確認するときに気を遣う」65.7%だった。今後働き続けるために重要なことは、給料:85.7、人間関係:68.6、勤務体制:54.3%だった。【考察】看護補助者は、人と接する仕事に魅力を感じ、患者・家族に感謝されることや個人の力の承認に対しやりがいを感じていた。また、看護師に確認することを躊躇すること、業務を実施する上での情報共有に問題があると感じている看護補助者が多いため、看護師との関係性に課題が残るのではないかと考える。そのため、看護補助者が看護チームの一員として安心して看護業務を実施することができるように、更なる業務実施体制の整備と共に看護師への教育・研修を強化していく必要がある。また、働き続けるためには、看護補助者からの意見や思いを確認しながら、ともに労働環境の向上を目指していくことが重要であると考える。