[口演Y-12-2] 看護助手の他部署応援勤務に対する管理者としての課題
―アンケート調査からみえたこと―
Keywords:看護助手、応援業務、職場環境の整備
【目的】看護助手は定年雇用満了や健康の事由等の退職者が増加し、その一方で、新規の採用応募者が少なく、生活の事情による短時間勤務者の割合が高い。そのため看護助手の応援業務の再検討が必要となった。そこで、応援業務に必要な支援は何かを明らかにすることで、今後、看護管理者が行う効果的な人材活用とタスクシェアにつながると考えた。【方法】看護助手93名対象に応援業務について5段階評価スケールの意識調査票を独自に作成、Webアンケートを実施し単純集計による集計を行なった。アンケートの回答は自由意思とし、回答は個人が特定されないよう配慮した。【結果】看護助手93名中、アンケート調査に回答したのは47名(50.5%)、そのうち部署以外の応援業務をしたのは32名(68.0%)であった。32名のうち、「看護師や看護助手との連携、円滑な業務遂行」について「とてもできた・できた」と回答したのは16名(50%)、応援業務による役割発揮について「とてもできた・できた」 と回答したのは13名(40.6%)であった。他部署の応援業務を行った際に感じたことは、「部署によって手順・物の配置が違う」「部署ごとに業務が違うため円滑に業務遂行ができない」「患者情報やADLを把握しにくい」などであった。また、他部署の看護 助手を受け入れた際の業務について、調査に回答した47名中28名が「助かった」と回答していた。受け入れた際の意見として「どの部署でも共通してやっている仕事しか任せられない」などであった。応援に行く際の工夫や支援に関しては、「依頼する事を全 体的に統一させると良い」「全体的に看護助手業務を減らすことも検討してほしい」という意見があった。【考察】看護助手は、同様の業務内容でも部署による手順の違い、物品の配置の違いによる戸惑いや煩雑さを感じていた。そして、看護助手は助手の業務量が多く、負担感を抱いていることがわかった。限られた人員で業務を遂行していくために、管理者は、客観的な業務量・内容の評価、人員配置や看護助手から学生看護助手へのタスクシェアの検討、看護備品等の配置場所の見える化の工夫など、看護助手が業務しやすい職場環境の整備と看護助手の意見を吸い上げる体制の検討が今後の課題である。