第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演12群 看護職間・他職種との協働②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM 第8会場 (G314+G315)

座長:井戸沼 由美子

[口演Y-12-4] 病院に勤務する看護師のチームワークに関連する要因

―個人属性・看護提供方式・教育に着目して―

高田 雷太 (アルメイダ病院)

Keywords:チームワーク、20歳代の看護師、チームナーシング、部署内教育

【目的】本研究の目的は、病院に勤務する看護師の個人属性や看護提供方式、現任教育に着目し、チームワークとの関連について明らかにすることである。病院で勤務する看護師がどのようにしたらチームワークを高められるのか示唆を得る。【方法】15県1,288施設のミドルマネジャー(看護師長相当)1,288名、看護師(職位を持たない常勤者)2,576名の合計3,864名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。ミドルマネジャーを対象に1.基本属性、2.所属部署の概要及びスタッフ教育実施状況、看護師を対象に1.基本属性、2.看護師チームのチームワーク測定評価尺度(三沢ほか2009)について調査した。分析は、記述統計、対応のないt検定を実施した。本研究は、研究倫理・安全委員会の承認を得た後に、研究対象者の自由意思の尊重、任意参加の保証、プライバシーの保護等について配慮し実施した。【結果】本研究の回収率はミドルマネジャー190名(回収率15%)、看護師386名(回収率15%)であった。スタッフ看護師の年齢は40~44歳が一番多く、看護師経験年数は平均16.9年(SD±9.4)であった。本研究における対象者の看護師のチームワーク測定尺度結果を20歳代と30歳以上とでt検定を実施した結果は、『チーム・プロセス』の〈知識と情報の共有〉以外のすべてにおいて有意差を認めた。次に、運用されている看護提供方式別にt検定を実施した結果は、「チームナーシング」と「その他の看護提供方式」で『チーム・リーダーシップ』の〈職務遂行上の指示〉と、『チーム・プロセス』の〈職務の分析と明確化〉で有意差を認めた。そして、部署内教育と院内外研修の有無における看護師チームのチームワーク測定尺度の結果に対してt検定を実施した結果は、「技術トレーニング」の有無で『チーム志向性』の〈職務志向性〉と『チーム・プロセス』の〈フィードバック〉で有意差を認めた。また、「チームワークに関する院内研修経験者」の有無で、『チーム・プロセス』の〈フィードバック〉で有意差を認めた。【考察】病院で勤務する看護師がチームワークを高め、質の高い看護ケアを実践するためには、20歳代の看護師らと協働し、チームナーシングを活用し、技術トレーニングやチームワーク研修を通じて、看護師のチームワークの向上を図ることが期待された。