第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演12群 看護職間・他職種との協働②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM 第8会場 (G314+G315)

座長:井戸沼 由美子

[口演Y-12-5] デバイスナース着任による、植込み型心臓電気デバイス診療の変化

寺﨑 義貴, 石井 雅子 (埼玉医科大学国際医療センター)

Keywords:植込み型心臓電気デバイス、デバイスナース、患者介入

【目的】植込み型心臓電気デバイス(以下CIED)の技術発展は目紛しく、医師のみでは機能に追従することは難しい。チームとして活動しなければCIED機能の十分な活用が困難である。関連学会より「植込み型心臓不整脈デバイス認定士制度」が創設された。認定士を取得し、CIEDの専門知識を持った看護師(以下、デバイスナース)着任後、遠隔モニタリングシステム(以下、RMS)を管理し、患者介入や支援に活用している。デバイスナース着任後のCIED診療の変化を報告する。【方法】デバイスナース着任前後で、RMS導入患者数・心不全入院への介入数・診療報酬を比較。【結果】RMS導入患者数では、デバイスナース着任により、退院後のフォローアップ体制も確立し取扱可能になったメーカが増加した。デバイスナース着任前の1年間平均総人数294人から、年々増加傾向している。(373→469→522→690→783人/年間平均総人数)心不全入院への介入数では、デバイスナース着任前では、臨床工学技士が管理しており、心不全に対する介入はなかったがデバイスナース着任により、現在までRMS導入のある全心不全入院107症例中28症例が、RMSデータで心不全傾向を察知し、デバイスナースが早期受診を促し入院となっている。診療報酬において、デバイスナース着任により電話などによる療養上必要な指導を実施することで、遠隔モニタリング加算の要件を満たし、診療報酬加算の増加をもたらした(デバイスナース介入前:0点→デバイスナース介入後:平均12,442点/月)。現在では加算が増額され2022年度には平均161,020点/月を算定した。【考察】多くの施設でCIED診療は医師と臨床工学技士(または臨床検査技師)もしくは医療メーカなどで構成されていることが多い。一部の施設において、デバイスナースの活躍が報告されているが、その数はまだまだ少ない。今回、単施設におけるデバイスナース着任前後でのCIED診療の変化を報告した。RMSの管理により、外来期間の安全な延長が可能であり外来診療における改善。また、昨今深刻な問題となっている心不全への介入が可能となれば、心不全入院の低減、医療財源の低減などへも影響を与える可能性がある。病院運営においても診療報酬が算定可能であり、CIED診療におけるデバイスナースの介入は非常に重要であると考える。