[口演Y-28-5] 消化器外科病棟における全身麻酔下術後患者の早期離床に対する看護師の認識
Keywords:消化器外科、全身麻酔、術後急性期、早期離床、看護師の認識
【目的】消化器外科病棟における全身麻酔下術後患者の早期離床に対する看護師の認識を明らかにする。【方法】質的記述的研究デザイン。グループインタビュー。分析方法はKJ法を用いた。倫理的配慮について研究対象者には研究⽬的、⽅法、参加は⾃由意思で拒否による不利益はないこと及び個⼈情報の保護について、⽂書と⼝頭で説明を⾏い書⾯にて同意を得た。【結果】A病棟の16名の看護師より調査の同意が得られた。212のコードから42のサブカテゴリ1が集約され、42のサブカテゴリ1より21のサブカテゴリ2が集約され、21のサブカテゴリ2から7つのカテゴリが抽出された。「離床に対するイメージの違い」「退院に向け多職種で行う離床介入」からは『イメージのギャップを埋める多職種連携』、「合併症予防のための早期離床」「入院前のADLに向けた離床目標」からは『離床介入には目標が必要』、「離床介入前に行う疼痛コントロール」「離床促進のための工夫」からは『離床促進のための工夫』、「離床介入に対する困難感」「離床促進によって感じる達成感」からは『離床介入に対するやりがいと困難感』、「バイタルサインの変動を重要視した離床介入」「段階的な離床介入」からは『循環動態を重視した離床介入』、「離床介入の時間確保」「継続的な離床介入」からは『継続した離床のための時間確保』、「責任と義務感を感じる離床介入」「離床に対する考え方の違い」からは『葛藤を感じる離床介入』の7つのカテゴリが抽出された。【考察】A病棟の看護師の離床に対する認識は離床介入に対して責任感や達成感を感じる一方、術後患者にとって痛みが増強される離床に対し葛藤を感じることが明らかになった。重要なこととして退院後の生活を見据えた『離床介入には目標が必要』であり、このことは当院の地域性として高齢者が多く、術後ADLの維持が困難な事例がある。ADLの低下により、患者本人と家族、医療者間で退院後の生活イメージにギャップが生じていることから患者本人と家族、医療者間で『イメージのギャップを埋める多職種連携』が必要であり、多職種連携した離床介入の強化の必要性が示唆された。まずはじめに病棟看護師が離床の目標設定を行うことが重要であり、多職種で情報共有しながら離床をすすめていくことが必要であると考える。