第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演3群 ポストコロナ社会の看護への示唆~看護の改善への取り組み①~

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM 第6会場 (G304)

座長:澤味 小百合

[口演Y-3-3] 精神科退院前訪問指導前後の患者の思いの変化

―医療者との対話がもたらす退院後の希望と安心―

小野 誠一郎, 千葉 達矢, 上野 浩司, 福田 智子 (砂川市立病院)

Keywords:精神科退院前訪問指導、社会生活、地域

【目的】精神科退院前訪問指導における患者の思いを明らかにし、今後有効な退院前訪問の示唆を得る。【方法】期間:期間:Ⅹ年Y月~Y+5月。対象:A病棟入院中に退院前訪問を実施した患者7名。分析方法:電子カルテ内にある退院前訪問に関する記録から患者の言葉を抽出し、訪問前後の患者の思いの変化に着目して分類した。倫理的配慮:診療に伴う検体等を研究・教育・検査業務に使用することへの同意に明示されている中に包括的同意が示されている。不同意の意思表示がない場合に、同意を得たものとし取り扱うと明記されている。また、個人が特定されないよう匿名とし、データの保管管理を厳重に行った。【結果】対象は30~80代の男性で統合失調症2名、精神遅滞3名、若年性アルツハイマー病1名、うつ病1名であった。訪問先は地域活動支援センター、施設や自宅、新たな入居先の見学であった。訪問前後で3つの<カテゴリ>と8つの『サブカテゴリ』が抽出された。<社会参加、地域の助け合いへの思い>訪問前は、就労や友人関連の思いを表出されるが抽象的な言葉が多く、『不安・気がかり』も表出された。また、老化や症状の進行により就労を『妥協、諦め』る言葉が聞かれ、治療に対する思いはほとんど聞かれなかった。訪問後は、施設を見学し担当者と関わる事によって、前向きで具体的な内容など『期待、希望、安心、興味』を表出された。金銭的『不安、気がかり』は訪問だけでは解決できず、その他の事への思いは聞かれなかった。<住まいへの思い>訪問前は、『期待、希望、安心、興味』はほとんど聞かれず、具体的な『不安、気がかり』を抱える対象がいた。訪問後は、『期待、希望、安心、興味』が多く聞かれた。<暮らしに必要なスキルへの思い>訪問前は、年金を受給されている対象が多く、金銭に対する『不安、気がかり』は聞かれなかった。日常生活スキルに関しても『期待、希望、安心、興味』の声が多く聞かれた。訪問後も同様の思いが表出された一方で、実際の環境を見ることで入院前の状態を想起し『不安、気がかり』を表出された。【考察】退院後の生活に関して漠然とした不安や抽象的な思いが主であったが、生活の場を確認することで自分自身を見つめ直し現実検討する事ができた。退院後の生活を医療者と一緒に見つめ話し合う事は対象の持つストレングスに働きかけることが退院後の興味や期待、安心へ繋がっていた。