第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演36群 看護の体制整備

2023年11月9日(木) 13:15 〜 14:15 第8会場 (G314+G315)

座長:竹﨑 和子

[口演Y-36-5] 病院理念の実現に向けた透析センターの取り組み

―救急センター夜勤勤務の導入―

吉村 節子 (白十字病院)

キーワード:透析センター看護師、救急センター夜勤体制、実践報告

【目的】A 病院は、地域医療支援・救急指定病院(二次救急)として『地域のニーズに応える救急医療』に取り組んでいる。救急センターの夜勤看護師は2 ~ 3 名体制で、救急患者を受け入れていた。夜勤看護師2 名体制時は、マンパワーの問題で救急患者の受け入れをお断りすることも多々あり、受け入れ患者数が少ない傾向であった。そこで、救急患者の受け入れを増加させるために、夜勤勤務がない透析センター看護師を救急センターでの夜勤勤務を導入したので、その過程と結果を報告する。【方法】救急センター担当看護課長と連携を図り、透析センター看護師の育成計画を立案した。育成は、2021 年8 月から2022 年12 月の期間で、育成対象看護師は、看護師経験3 年以上かつ自発的に希望した看護師とした。事前に主任と中堅看護師に救急センターでの夜勤勤務導入の目的と人材確保のため透析センターの業務改善が必要であることを説明し、理解を得た。その後、透析センタースタッフ(看護師、臨床工学士含む。以下、透析センタースタッフと称す)に、同様の説明をし、実施した。【結果】透析センタースタッフに夜勤勤務導入の趣旨の理解を得ることができた。透析センターの業務改善を行い人材確保したことで、救急センターでの育成を実施できた。その結果、透析センター看護師4 名が夜勤勤務をできるようになった。透析センター看護師が週1 ~ 2 回夜勤勤務を担うことで、救急センターの夜勤看護師3 名体制を週4 日から全日にすることができた。救急センターでの夜勤勤務導入前後の救急患者受け入れ件数を比較すると98 件増加することができた。【考察】看護管理者として、限られた看護師のマンパワーを有効活用する必要があると考え、夜勤勤務がない透析センター看護師を救急センターでの夜勤勤務の導入を行った。新たな業務を行ううえで、スタッフからの心理的抵抗があることを推測し、情緒的支援を行ったことが、円滑に実践できた要因であると考える。今回は管理者からの実践報告であるため、今後はスタッフの評価を含めた取り組みが必要であると考える。