[口演Y-37-5] 急性期病棟に勤務する看護師がターミナルケアを行う上での困難要因と取り組みに関する文献検討
Keywords:急性期病棟、ターミナル、看護師、がん、困難感
【目的】急性期病棟に入院中のターミナル期にあるがん患者に対する看護を行う中で、看護師が困難と感じている要因を明確にし、どのような取り組みが適切かを示唆した。【方法】医学中央雑誌Web 版にて原著論文の中で、「急性期病棟」「ターミナル」「看護師」「がん」のキーワードで絞り込まれた14 件の文献のうち、「急性期病棟の看護師が感じているターミナルケアを行う上での困難要因」が抽出されなかったものを除外した10 件にて分析を行った。倫理的配慮として、著作権などを侵害しない様にし、対象論文の結果が示す意味を損なわないよう忠実に記載し、出所を明示した。【結果】対象文献10 件に記述された急性期病棟の看護師が感じているターミナルケアを行う上での困難要因について、記述内容を検討した。結果、41 のコードが抽出され、12 のサブカテゴリー、「急性期病棟の特性」「患者を取り巻く環境」「看護師自身の問題」「患者・家族とのコミュニケーション」の4つのカテゴリーに整理された。【考察】急性期病棟では、医師・看護師との間で治療やケアに関して方向性の違いやずれが生じる可能性がある。そのため、医師・看護師共に患者にとっての最善を考え、それぞれに意見を交わし同じ方向を向いて治療やケアを行っていく事で、看護師がターミナルケアを行う上で困難となることが減少するのではないかと考える。また、急性期病棟では業務が多く多忙な日々が続くため、自己学習や研修会などによるターミナルケアの知識や経験が不足しやすい。そこで、知識や経験不足を補うために実践を意識したターミナルケアに関する研修や勉強会などを組織的に設ける事が出来ると良いと考える。さらに、業務が多忙である事で十分に患者と関わる事が出来ず意思決定支援が困難となる場合が多い。そのため、患者と関われる様な業務調整やデスケースカンファレンスなどを行い、看護師が感じる思いについて話す機会を設ける事で看護師が抱える感情について改善していけるのではないかと考えた。また、遺される家族に対してもケアが不十分になってしまったと看護師が感じ後悔を抱える事は大きなストレス要因となり、その後ターミナルケアを行う事に不安や苦手意識などを抱いてしまう可能性もあるため、精神的負担が軽減出来れば、今後ターミナルケアを行う上で少しでも前向きに患者や家族と関われるのではないかと考える。