[口演Y-41-4] 小児看護学における「学生の主体的な学びに繋がる授業」に関する実践研究
―協同学習・パフォーマンス課題を取り入れた授業実践を通して―
Keywords:協同学習、主体的な学び、パフォーマンス課題
【目的】筆者が担当する「小児看護学各論」の授業において、協同学習・パフォーマンス課題が学生の主体的な学びに繋がるのか、協同学習・パフォーマンス課題を実施することで学生自身の自信や達成感に繋がるのか、について成果と課題を検証する。【方法】「小児看護学各論」(実施期間:2022 年5月~ 7 月)において、協同学習・パフォーマンス課題を取り入れた実践を行い、学生の発言内容や授業アンケート、各回の授業の振り返りシート(Google foams で実施)を集計し、自由記述による学生の声をKHCoder によりテキストマイニングで捉え、筆者自身の授業記録と照らし合わせ分析した。ちなみに、協同学習は、課題が個人に割り当てられ、個々に解決した結果を集積して最終成果とするものであり、学び手同士が考えを練り合い、意味づけを行うことが期待されている。一方、パフォーマンス課題は、リアルな文脈において、学んだ知識やスキルを応用・総合しつつ、実践に結びつくことが期待されている。本研究はA 短期大学において研究倫理審査承認(白倫研22006)を得て実施した。【結果】協同学習・パフォーマンス課題を取り入れた授業実践について、テキストマイニングによる分析から、「自分」で「調べる」「考える」授業になっていること、「グループ」での「ワーク」「学習」が「楽しい」ということが明確になり、学生自身の自信や達成感に繋がることが確認できた。【考察】協同学習は、個々に役割が与えられており、それを持ち寄りグループで学習するため、個人ワークをやっていないとグループに迷惑がかかること、また学生自身が恥をかくということが懸念され、さぼることができないという足枷となっていた。そのため、学生は与えられた責任を果たし、メンバーで協力してピースを埋めて成果物を仕上げることに繋がっていた。そこから各授業のパフォーマンス課題に取り組むことができており、メンバーとの協同学習をはじめ、新たな気づきを得ること、学ぶことの楽しさを見出すことに繋がり、自ら学ぶ力が育まれていた。これらは、学生の主体的な学びを支援することに繋がっていることがわかった。そして、自己の役割を遂行すること、出来たことにより「やればできる」「メンバーに迷惑をかけなかった」「みんなで学習すると楽しく学べ、理解が深まった」という意見からも自信や達成感に繋がったことが示唆された。