[口演Y-41-3] 災害看護におけるトリアージ講義後の学生の学び
Keywords:看護学生、災害看護、教育、トリアージ
【目的】本研究の目的は、看護学科4 年生に「災害看護学」において、トリアージの実際の講義により、学生が講義受講後にどのような学びを得たのかを明らかにし、今後の災害看護教育への示唆を得ることである。【方法】研究デザイン:質的記述的研究、研究期間:2018 年11 月1 日~ 2019 年3 月31 日、対象科目:災害看護学「災害時のトリアージ」(災害被災者経験および支援者経験を持つ教員が行う講義)、対象者:看護学科4 年生で同意が得られた90 名を対象に自由記述の授業後のレスポンスシートでの学生の学びの抽出を行った。その際にできるだけ、ありのままの記述を読み取り質的記述的に分析した。その後、研究者が分析の意味内容を表わすコードの類似性に着目して、サブカテゴリー、カテゴリーを生成した。分析にあたっては質的分析経験を持つ協力者3 名と意見交換し、結果の真実性を確保するように努めた。倫理的配慮は調査対象者に対して、研究目的、方法を説明し、本研究への参加は自由意思によるものであることを説明、書面で同意を得た。成績判定後にデータ化を行った。データは個人が特定できないように記号化しプライバシーの保護に努めた。【結果】8つのカテゴリーが抽出された。< トリアージには判断力がいる>< 災害で一人でも多くの命を救う大切さ>< 本物のトリアージタグを持て気持ちが引き締まった> <トリアージと医療法を考えた><命の選択をする辛さ><災害で活躍できるようになりたい><家族の立場を知ると複雑><看護師や医師の心のケアも重要>【考察】ほとんどの学生はメディア情報において、災害のすざましい報道や、悲惨な映像を目にしたことはある。また、医療ドラマにおいても災害現場でのトリアージの様子をみたことはある。しかし、実際のトリアージ現場での映像を見ながらリアルに災害を経験した教員が解説を加えることにより、より具体的な災害現場でのトリアージの状況を捉えていたと考える。