[口演Y-46-1] キーコンピテンシーを活用した看護管理研修の学習効果
Keywords:キーコンピテンシー、看護管理研修、共通言語、学習効果
【目的】金子らの先行研究である「キーコンピテンシー獲得モデル」に着目し、管理者研修を受講した師長の学習効果を明らかにする。【方法】2022年、主任以上の看護管理者を対象に金子氏による「キーコンピテンシーを活用した看護管理者研修」を実施した。加えて「看護管理者のキーコンピテンシープログラムA」を受講、その後、自身の管理場面を内省する場を設けた。所属する施設の倫理審査の承認を受け、自由参加で強制力がないこと、個人が特定されないこと、データは研究目的以外に使用しないことを説明し、承諾を得た師長7名にグループインタビューを行い質的記述的に分析した。【結果】「師長におけるキーコンピテンシー研修後の学習効果」に焦点をあて、インタビューデータを分析し、4カテゴリー、14サブカテゴリーを抽出した。以下、「 」をサブカテゴリー、≪ ≫をカテゴリーで表す。病棟師長が、学びから「コミュニケーションを工夫」し「病棟役職者間での共通言語による理解」をすることで「組織風土のポジティブな変化」が生まれ「お互いを承認しあう組織」となり≪共通理解による組織の変化≫を感じる効果があった。また、「気持ちよく働ける病棟づくり」を心がけ「師長とスタッフのよき関係性が構築」されることで≪働きやすい病棟運営を目指す≫効果となった。そして、師長自身が「キーコンピテンシーを活用した自己理解」や「師長としての立ち位置を定める」ことで、「管理課題に向けた思考」や「師長に求められる役割の理解」「自己を俯瞰し行動をおこす」ことが促進され≪管理者としての自己成長≫という学習効果がみられた。今後は≪人材育成に対する多角的な支援≫として「多様な人材育成に心がける」ことを意識し、「やる気を引き出す看護部の支援」や「中間管理職の成長を促す支援」が必要であることが示された。【考察】看護管理者には、看護師としてのスキルだけでなくマネジメント力が求められる。病棟管理者が、「キーコンピテンシーを中心とした看護管理者研修」を受講することで、お互いが共通言語を理解し、組織風土の変化に効果的であり、病棟運営に良い影響があったと考える。今回の研修は、師長自身が、管理者の役割、自己理解、課題解決に向けた思考など、自己を俯瞰し気付く研修の効果が示された。