[口演Y-6-2] 新型コロナウイルス感染症病棟看護師のモチベーションに影響する要因
Keywords:COVID-19、2要因理論、モチベーション
【目的】新型コロナウイルス感染症病棟看護師のモチベーションに影響する要因を明らかにする。【方法】調査期間2022年7~9月、感染症病棟に勤務する看護師12名に半構造化インタビューを実施。感染症病棟勤務でモチベーションにプラス、マイナスに働いたことについて質問した。逐語録を作成後、モチベーションに影響する要因に関する記述を抽出しコード化、カテゴリーを作成、フレデリック・ハーズバーグが提唱した二要因理論を用いて分析した。対象者に研究協力は自由意志であり、参加の有無で不利益を受けない事、データは研究以外で使用しない事、個人が特定されない事を説明し同意を得た。【結果】モチベーションにマイナスに働く要因は34のコード、8のサブカテゴリーより5のカテゴリーに分類、動機付け要因の充足を妨げる「看護する上での葛藤」、衛生要因の充足を妨げる「COVID-19に対する不安」や「業務量増加のストレス」「感染防護具によるストレス」「業務内容への不満」が抽出された。モチベーションにプラスに働く要因は56のコード、18のサブカテゴリーから7のカテゴリーに分類、動機付け要因として「能力の発揮」「スキルアップ」、衛生要因として「チームワーク」「労働条件」「病院の体制整備」「ストレスコーピング」「状況への適応」が抽出された。【考察】マイナスに働く要因として、感染症病棟で行える治療や検査に制限があることや、医療資源が限られている中で看護をする辛さ、感染拡大時の業務量増加で患者へのケアが行き届かないフラストレーション等により、仕事の達成感が得られ難くなるという動機付け要因の不足があった。さらに、自身や家族が感染する不安や、感染防護具の長時間の着用による身体的負担と、清掃等の業務増加による負担感が衛生要因の不足となっていた。また、感染拡大期に入退院が多く業務が煩雑になり、過度な仕事量となったことがモチベーションの低下につながっていた。プラスに働く要因としては、これまでの知識や経験を活かし患者の看護をすることでのやりがいと、感染症看護で新たな学びを得ることでの自己成長という動機付け要因があった。そして、スタッフ間の共感・承認し合える関係性がありチームで協力し業務に取り組める環境であったことや、病院の感染対策の徹底と特殊勤務手当の支給、有給取得が可能といった労働条件による衛生要因の充足があったと考える。