第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演6群 ポストコロナ社会の看護への示唆~モチベーション~

Wed. Nov 8, 2023 1:15 PM - 2:15 PM 第7会場 (G312+G313)

座長:渡邊 輝子

[口演Y-6-5] コロナ禍のワーク・モチベーションの維持向上に大切なこと

―高ワーク・モチベーションに該当する看護師へのインタビューを通して―

大平 章代, 五十嵐 史織, 西村 阿維 (福井県立病院)

Keywords:ワーク・モチベーション、コロナ禍、看護師

【目的】コロナ禍においてワーク・モチベーションに影響を与える因子を抽出し、そのなかでワーク・モチベーションの維持向上に対して大切なことを明らかにする。本研究は、ストレスフルな状況下において看護師の疲弊やバーンアウトを予防する一助になると考えられる。【方法】1. 研究デザイン:質的記述的研究2. 対象:アンケート対象者はA 病棟看護師24 名、インタビュー対象者はA 病棟看護師6 名3. データ収集方法:1)アンケート:高ワーク・モチベーション該当者6 名を選出するために「ワーク・モチベーション測定尺度」を用いる。2)インタビュー:選出された6 名にフォーカス・グループインタビューを施行。4. データ分析方法:インタビュー内容を逐語録データとし、コード化し、サブカテゴリー、カテゴリー化した。5. 倫理的配慮:研究対象者に、本研究の目的内容や研究参加の自由意志の尊重、途中辞退や同意撤回の権利、データ厳重管理等を説明し、同意書にて同意を得た。「ワーク・モチベーション測定尺度」の使用にあたり、開発された西村氏に使用承諾を得た。「ワーク・モチベーション測定尺度」の使用にあたり、開発された西村氏に使用承諾を得た。【結果】79のコードが抽出され、26のサブカテゴリーに分類された。さらに6つのカテゴリー「仕事のストレス・不安」「職務環境」「達成感」「承認」「心と体の休息」「自己実現」が抽出された。【考察】前述の6つのカテゴリーは、コロナ禍前の先行研究で抽出されていたが、今回のコロナ禍での研究でも抽出された。「職務環境」では、お互いの思いを受容し合い協力し合う良好な関係性がみられた。またこれらの行動は「承認」にも通じる。「達成感」「承認」は自分を認める行為であり、自己肯定感につながると考えられる。「心と体の休息」では、自分を大切にし労る行動がみられた。「達成感」「自己実現」は内発的モチベーションといわれ、周りの環境に左右されず長続きする傾向があり助長していく必要がある。しかし、キャリアとライフサイクルが発達する時期に、看護師は多くの葛藤を生じており、これらの葛藤に対処していくことが自己実現の維持につながると考える。以上より、ワーク・モチベーション維持向上に大切なことは「承認し合う良好な人間関係」「自分を大切にする自己肯定感とセルフケア」「個々のライフステージの状況を見据えながら、葛藤を受容・克服できるサポート環境」であることが示唆された。