[口演Y-9-3] COVID-19まん延下における新卒看護師育成への教育主任の役割
Keywords:COVID-19、教育担当看護主任、新卒看護師育成、教育主任の役割
【目的】COVID-19のまん延により臨地実習の制限を受けて卒業した新卒看護師(以下新卒者)の育成に携わるA病院教育担当看護主任(以下教育主任)の役割について検討する。【方法】2021年4月の新卒者受け入れ準備から新卒者入職後半年までの集合技術研修で、新卒者に直接指導を行った教育主任のうち同意を得られた5名に、半構造化面接法で新卒者育成についてインタビューを行い、録音データから逐語録を作成し内容分析を行った。倫理的配慮は、対象者に個人が特定されないように配慮した。【結果】教育主任の主任歴は平均5年、教育担当歴の平均は2.8年、教育担当者研修もしくは実習指導者講習会を受講すみであった。COVID-19まん延による新卒者育成の教育主任の役割として、5つのカテゴリーと15のサブカテゴリーが抽出された。『新卒者の特性の把握』のカテゴリーは「未経験の看護介入の把握」「看護過程の経験不足の把握」「未経験技術の理解不足の推測」「コミュニケーション能力不足の推測」の4つのサブカテゴリーで構成された。『新卒者育成のための体制作り』のカテゴリーは「スタッフへの新卒者研修の周知」「新卒者の指導者の選任」「実地指導者の育成」「実地指導者への個別指導」「スタッフ全員での新卒者の育成」の5つのサブカテゴリーで構成された。『新卒者の心身への配慮』のカテゴリーは「ストレスの懸念」「気持ちの理解」の2つのサブカテゴリーで構成された。『新卒者への直接的な成長支援』のカテゴリーは「技術習得への支援」「自信の獲得への支援」の2つのサブカテゴリーで構成された。『新卒者育成の役割の再認識』のカテゴリーは「新卒者の指導方法の見直し」「新卒者育成役割の認知」の2つのサブカテゴリーで構成された。【考察】教育主任は、新卒者を受け入れるために事前に特性の把握をしたことは、新卒者を理解する行動であった。新卒者の特性から育成のための態勢づくりが急務と考え、実地指導者の育成と新卒者の成長にあわせプリセプターから中堅、ベテランへと指導者を選任し、全員で育てる体制作りに取り組んだ。また新卒者に携わりながら心身への配慮を行なったことは、新卒者の状況を危惧した行動である。教育主任が新卒者に技術習得や自信獲得への直接的な成長支援を行ったことは、指導方法を見直すきっかけとなり、新卒者育成の教育主任の役割を再認識したと考える。