第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター1群 ワークエンゲージメントを高める①

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:本田 万里子

[ポスターY-1-1] 離職率低下に寄与した看護管理者の実践

―経時的なモチベーション・エンゲージメント調査を活用して―

兵頭 裕美 (浜松南病院)

Keywords:離職率低下、モチベーション、エンゲージメント、看護管理実践

【目的】A病院では看護職員のモチベーションやエンゲージメントを経時的に調査(以下ME調査とする)した一連の取り組みにより、離職率の大幅な低下を認めた。今回、離職率低下に寄与した看護管理者の実践を明らかにしようと試みた。【方法】1.ME調査:エピグノ社エピタルHRを使用、2カ月毎に看護職員に対しアンケート調査を実施 2.結果をみて部署の看護管理者(看護師長・主任)が職員のフォローを実践 3.分析:看護管理者の実践をインタビュー、内容をコード化→カテゴリー化した。4.倫理的配慮:発表に関してA病院倫理委員会の承認を得た。個人が特定されないように十分に倫理的配慮を行い、文書にて対象者の同意を得た。【結果】X-1年度離職率49%→X年度離職率18%、ME調査ははX年Y月より2カ月ごと計5回実施した。看護管理者の実践を分析し、〈a全体の傾向をみる〉〈b個々の傾向をみる〉〈c傾向と感覚のずれを検討する〉〈d全体の傾向の原因を探る〉〈e個人の傾向の原因を探る〉〈fモチベーション低下職員へのフォローを行う〉〈gエンゲージメント低下職員へのフォローを行う〉〈h日頃から職員の言動に関心を持つ〉〈i日頃から職員同士の人間関係に関心を持つ〉〈j日頃からこまめに声かけを実践する〉以上、10のコードが得られた。さらに〈ab経時的な傾向をみる〉〈c管理者としての感覚を確認する〉〈de傾向の原因を探る〉〈fg職員個々への対処を行う〉〈hij日頃からの管理に活かす〉の5つにカテゴリー化できた。【考察】A病院ではX-1年度病棟機能の転換という大きな変革を行ったが、方向性や進め方などについて現場の職員と十分に共有できず、看護職員の半数近くの退職につながった。ME調査の導入にあたりX―1年秋に試験的に実施した調査で、モチベーション、エンゲージメントが有意に低い職員がその後退職を申し出る傾向が顕著であった。このことから離職率低下のためにMS調査を活用しようと考えた。今回明らかになった5つのカテゴリーより、調査実施を契機に看護管理者が年度を通して職員一人一人に関心を寄せたこと、経験豊富な管理者でも気づかないほど早期に職員のモチベーションやエンゲージメントの変化をとらえそれを逃さずに個々の状況に対応したこと、日頃のコミュニケーションを密にしたことといった看護管理者の実践が離職率低下に寄与した可能性を示唆された。