[ポスターY-1-2] 総合病院の男性看護師の職場環境に関する認識の検討
Keywords:男性看護師、ジェンダーレス、職場環境
【目的】総合病院の男性看護師の職場環境に関する認識を明らかにする。【方法】令和X 年7 月~ 8 月に総合病院の男性看護師を対象に、年齢や看護師経験年数、職場環境(男性の配置人数等)、職場環境に関する認識等半構成的インタビューを行った。分析は、逐語録を作成し内容分析を参考にコード化、カテゴリー化した。『』はカテゴリー、《》はサブカテゴリー、「」はコードを示す。倫理的配慮では、対象者に研究目的、研究方法、参加は自由意思で拒否による不利益はないこと、及び個人情報の保護について文書と口頭で説明し書面にて同意を得た。【結果】対象は5 名(平均年齢32.2 歳、看護師経験平均年数7.4 年、部署経験平均年数1 年8 ヶ月)、対象者の部署の男性の平均人数は4 人、平均インタビュー時間は17.4 分であった。職場環境では、『職場に男性看護師がいることの有益性』、『性差を意識せず働ける職場環境』の2 カテゴリーが抽出された。『職場に男性看護師がいることの有益性』では、「女性集団内の緊張を緩和する役割」、「女性看護師の感情に惑わされない冷静な判断」等から《女性集団における緊張を緩和する緩衝の役割》、「同性看護師への相談しやすさ」、「同性だからわかり合える仲間意識」、「同性看護師が増えることでの安堵感」、「プライベートの交流から生まれる同性看護師の絆の強さ」、「男性ならではのあうんの呼吸」から《同性看護師が職場にいることの働きやすさ》を認識していた。『性差を意識せず働ける職場環境』では、「性別に関わらないのびのび働ける職場」、「性差にこだわらない仲間意識」から《性差を意識しない職場環境》と「女性患者への異性であることの申し訳なさ」、「女性患者の直接ケアをサポートする女性看護師への感謝」から《ケアをサポートする女性看護師への感謝》を認識していた。【考察】2020 年の男性看護師の割合は8.1%と少なく、先行研究では男性看護師の集団における孤立傾向や、女性看護師への援助代行依頼から屈辱感や劣等感を報告していた。しかし、本研究では孤立や劣等感の認識は抽出されなかった。その背景には、部署に男性看護師を複数配置し狭い交友関係の中でも孤立を回避できた≪同性看護師が職場にいることの働きやすさ≫や、日々のケアで助け合える≪性差を意識せず働ける職場環境≫があったと考える。本結果を、より良い職場環境づくりに繋げていきたいと考える。