第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター11群 ポストコロナ社会の看護への示唆~看護職の心の働きとその対処①~

2023年11月8日(水) 14:30 〜 15:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:鈴木 美智子

[ポスターY-11-5] 1)COVID-19患者受け入れ病院で勤務する看護師のストレスとコーピング

川久保 慶一1, 大原 瑠璃1, 平田 有紗1, 田内 花純1, 野島 海都1, 大西 侑子1, 川上 理子2 (1.土佐市民病院, 2.高知県立大学看護学部)

キーワード:COVID-19、ストレス、コーピング、受け入れ病院

【目的】COVID-19 患者受け入れを行ってきた病院のストレスとコーピングを明らかにし、看護師のよりよいコーピング獲得に役立てる為の示唆を得る。【方法】文献検討を元に研究者らが作成した質問紙を用いる。質問紙は基本的属性7 項目、COVID-19 禍におけるストレス23 項目、コーピング21項目からなる無記名自記式。A 病院の看護師を対象。調査協力の自由とプライバシーの保護、不利益にならない事を文章で説明。結果は本研究以外使用せず研究終了後の破棄を記述。回答を得たものを同意者とした。【結果】140 部配布し有効回答100 部。陽性が判明している患者のケアに関わったことがある者は68 名(68%)。「陽性が判明している患者のケアに関わった」群と「陽性が判明している患者のケアに関わっていない」群の比較(以下「陽性患者に関わった」群と「陽性患者に関わっていない」群とする)ではコーピングに関する4 項目の「気分転換が日常の中で出来ている(t(97)=-1.819、p<0.05)」「COVID-19 禍になってから職場以外の人とも交流を保てている( t (97) =-1.792,p<0.05)」「現在の状況について、なるべく考えないようにしている(t(97)=-2.383、p<0.05)」「先のことは考えないようにしている(t(97)=-1.965、p<0.05)」は、「陽性患者に関わっていない」群の平均値が「陽性患者に関わった」群よりも高く、逆に「COVID-19に関して、ウェブセミナー等で新たな知識を得る機会がある(t(97)=1.727、p<0.05)」については「陽性患者に関わった」群が「陽性患者に関わっていない」群の平均値より高くなっていた。【考察】コーピングにおいて交流面や気分転換は「陽性患者に関わった」群の方の平均値が低く、情動焦点型コーピングや気晴らし型コーピングが出来にくい状況にあると考えられ、周囲のサポートも必要である。「陽性患者に関わった」群が高くなっていたのは、問題焦点型コーピングの「COVID-19 に関してウェブセミナー等で新たな知識を得る」ことであった。他者や場所、時間に囚われず参加可能なオンライン研修は専門性が求められる感染症研修へ参加し易く、より知識を深められると考える。問題焦点型コーピングで自己研鑽していけるよう、今後も継続して開催することが求められるのではないか。