第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター13群 ポストコロナ社会の看護への示唆~看護職の心の働きとその対処③~

2023年11月8日(水) 10:30 〜 11:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:阿久津 美代

[ポスターY-13-1] 精神科急性期病棟におけるCOVID-19感染患者への対応の在り方

―COVID-19患者対応を行う看護師の士気を維持・向上させる取り組み―

黒木 昂 (宮崎県立宮崎病院)

キーワード:士気、環境、チームワーク

【目的】精神科急性期病棟におけるCOVID-19 対応の実態を看護師の視点を通して導き出し、看護師の士気を維持・向上させつつCOVID-19 対応を行えた要因を明らかにする。【方法】B センター在籍看護師22 名に対し質問紙調査を行った。調査時期は2020 年8 月5 日~ 2022 年8 月30 日とし、内容はCOVID-19 対応で負担と感じること、健康の変化について、工夫した点についてとした。類似データ毎に集計を行い割合を出した。また、A 病院看護部倫理委員会の承認を得て研究を行い、対象者には研究の主旨、参加への自由意志の尊重、参加・不参加による不利益は生じないこと、研究成果の公表について研究者が文章と口頭で説明し同意を得た。【結果】回答数22 名、回収率100%であった。精神的な負担が「ある」95%「ない」5%。不安に関する内容が多く、自身の感染への不安100%、家族への感染の不安55%と高い割合を示した。乗り越えられた理由として、他職種が情報提供や物品管理など職種に拘らないサポートを行ってくれたと他職種の協力に関する回答が76%と高い割合を示した。健康の変化について「ある」23%「ない」77%。健康の変化なく対応が行えた理由として、労いの声かけを行うなどチームワークがよかったとチームワークに関する回答が82%と高い割合を示した。工夫した点について「ある」91%「ない」9%。電子機器の活用など環境に関する工夫が65%、スタッフ間でコミュニケーションを取るなど「チームワーク」に関する工夫が40%であった。【考察】B センターでは看護師の他、多くのコメディカルスタッフが在籍している。センター長、病棟師長を中心にCOVID-19 対応初期段階から統制を図り、個々の能力を分散させずチームとしてうまく機能していた。お互いに声を掛け合い労いや患者対応を行うスタッフへ心理師によるリラクゼーションプログラムの実施、医師が汚染区域内の清掃を行う事や作業療法士等が物品管理を行うなど、それぞれの職種が出来ることを実施し連携・協働していたことが、チームとしての団結力を高めていた。また、感染対策や電子機器を活用し職場内の環境を整えることで、看護師の抱える不安やストレッサーへ対処していた。思いを吐露できる環境や共有できる仲間の存在が、心身の負担を軽減し、COVID-19 対応の士気を維持・向上させることへ繋がっていた。