[ポスターY-16-4] 侵襲的医療行為におけるチームでの鎮静管理
Keywords:透析治療、シャント、鎮静管理
【目的】透析導入の高齢化、疾患による動脈硬化は、治療の要となるシャント造設および管理を困難とする。シャント血管の寿命は3 ~ 5 年と報告されており、血流管理は透析治療と並走する。血流障害に対し、経皮的血管拡張術が第一選択であるが、困難な場合外科的処置となり体位保持が必須である。が、理解力の低下により体位の協力が困難である場合、鎮静管理が必要となる。A 病院では、チームでミタゾラムによる鎮静に取り組んだ。副作用とされる呼吸障害に着目、患者状況を観察、処置終了時覚醒評価(modified aldorete スコア)を行い、速やかな覚醒を評価とし検証する。【方法】1.事例研究 2.対象者 末期腎不全でシャント再手術となり鎮静を必要とした患者5 名 3.処置前確認事項(酸素投与開始基準 投与量に準じたデバイス 体位確保方法 CO2 ナルコーシスリスク 患者の理解力、疼痛に対する認識、表出方法)4.ドルミカム投与量、方法について医師、薬剤師との調整(Time tp peak effect3-5 分の共通認識)併用注意薬剤(CYP3A4 誘導)内服歴6.ドルミカム投与量最小化のため鎮痛剤の併用、局所麻酔の投与7.臨床工学技士とモニター機器調整(SpO2 測定のプローブ、装着部位)8.処置後、覚醒評価で9 点以上か評価 9.倫理的配慮 自由意志であり、拒否による不利益はないことを説明。A 病院倫理委員会の承諾を得た。【結果】患者平均年齢83 歳。ドルミカム投与量3 ~ 5 ミリグラムであり中鎮静のレベルであった。全員にSpO2 の低下あり、酸素療法開始、投与量0.5 ~ 3L であった。処置後(縫合終了後、声掛け時)覚醒評価で全員9 点であった。【考察】全員が、modified aldorete が9 点であり速やかな覚醒となった。末梢の血流障害を呈する患者に対し、臨床工学技士がモニター管理に努め、正確な状況把握となった。処置の侵襲を回避するため、中等度以上の沈静が必要となる。反応性の低下は呼吸障害を併発、SpO2の低下となるが、酸素投与、気道確保により呼吸機能の維持を図り、2 次的な影響を回避した。疼痛が覚醒の刺激となるため、疼痛に対する認識や表出方法を把握、状態を確認しながら局所麻酔および鎮痛剤を併用することでドルミカム投与量の漸減に寄与した。チームで鎮静管理に取り組んだ事が速やかな覚醒に繋がった。