第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター2群 ワークエンゲージメントを高める②

Wed. Nov 8, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:鈴木 久美子

[ポスターY-2-1] 心臓血管内科・心臓血管外科病棟を主科とする混合病棟における働きやすさの現状

―働きやすさ評価尺度を使用して―

細野 頌悟, 山洞 円香, 栗本 侑樹, 高橋 明香 (前橋赤十字病院)

Keywords:働きやすさ、働きやすさ評価尺度、ワークライフバランス

【目的】A 病院は、2018 年に移転を経験。新病院移転後、病棟編成などの環境の変化に直面し、働きやすい環境をスタッフ個々で作る手立てはないかと考えるようになった。看護スタッフ個人が働きにくいと考える具体的な要因を明らかにし、病棟独自の課題を見出すことで、今後働く上での動機づけや目的意識の向上だけでなく、知識・技術の向上にも貢献できると考えた。A 病院の心臓血管内科・心臓血管外科病棟を主科とする混合病棟(以下、B 病棟とする)に勤務する看護師が知覚する「働きやすさ」の現状を明らかにし、働きやすい職場作りに向けた看護師個々で解決が可能な課題を見出すことを目的とした。【方法】B 病棟に勤務する経験年数2年目以上である看護スタッフを対象とし、鹿島らの研究結果である「職場の『働きやすさ』評価尺度- 病院スタッフ看護師用」と自由回答式質問を用いた。自由回答質問には、看護師個々が職場で働きやすくなるために行なっている工夫を問う質問を設定した。なお、本研究は院内看護部倫理委員会の承認を得て実施した。論理的配慮として、研究対象者へは書面で説明し、アンケート・質問用紙の回答を持って承諾したものとした。記載は匿名であり個人が特定できないように配慮した。【結果】1. 研究対象者34 名に「職場の『働きやすさ』評価尺度 病院スタッフ看護師用」を配布し、回収率は78.2%であった。2. 自由回答式質問では、無回答を除外した19 名(64.4%)を分析対象とし、21 カテゴリーが形成された。【考察】評価尺度において、高得点領域には4 項目が該当した。相談に乗ってくれる上司の存在や、勤務調整の融通が利くことなどが挙げられた。自由回答式からは8 カテゴリーが高得点領域の内容に準じており、スタッフ同士が互いに思いやり、配慮することが働きやすさの向上に関連していることが考えられた。低得点領域は、5 項目が該当しており、人員不足や病棟業務以外の委員会活動などが働きにくさに繋がっていると考えられた。また、低得点領域における働きにくさを実感していることから、8 つの課題を見出した。しかし、いずれの課題も、管理職的な役割が大きく、個人で解決することは容易ではないと考えられた。働きやすい職場作りの実現のためには管理者のみならず関係する個々の参画の必要性を示し、職場が一丸となり職場環境を醸成していくことで働きやすさに結びつくと考えられる。