第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター20群 高齢者、認知症の人の看護②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:大柴 幸子

[ポスターY-20-5] A病棟に再入院した高齢心不全患者の自宅での生活の実態

溝上 恵輔 (大阪府済生会富田林病院)

Keywords:心不全、再入院、高齢者

【目的】A 病棟で2020 年11 月~ 2021 年6 月まで心不全で再入院となった患者が36 名いた。入院中の心不全患者には生活指導や心不全管理用紙での症状の自己チェックを指導しているが、心不全管理用紙を自己中断し、再入院となるケースがある。そこで今回、心不全で再入院した高齢患者の生活の実態を明らかにすることを目的に調査を行った。【方法】A病棟に1 年以内に心不全で再入院した、自己管理が可能で認知機能に問題がない患者4 名に対し、半構造化面接法を用いインタビューを行った。インタビュー項目は、退院後の生活について困ったことはないか、自己管理の方法について入院中の指導内容をもとに独自で作成した。インタビューは病状が安定した時期にA 病棟の面談室で実施し、同意を得てICレコーダーに録音した。録音内容から逐語録を作成し、コード化を行ない質的記述的分析を用いた。コードの類似性を確認し、サブカテゴリー、カテゴリーを作成した。対象者の語りとカテゴリーの解釈にずれが生じていないか、繰り返し確認した。本研究は対象者に研究の説明と同意書に署名を得て実施した。【結果】対象者の背景は、1)A 氏:90 歳代、男性。再入院4 回。長女家族と同居、デイサービスの利用あり。2)B 氏:80 歳代、女性。再入院3 回。独居で訪問看護や訪問リハビリを利用。3)C 氏:80 歳代、男性。再入院4 回。長男家族と同居。介護度自立。4)D 氏:80 歳代、男性。妻と同居、再入院2 回。介護度自立。逐語録から57 のコードが得られ、7 個のカテゴリーと23 個のサブカテゴリーが抽出された。7個のカテゴリーは〔他者の協力を得ながらの管理〕〔日常生活の中での工夫〕〔指導を受けて行えていること〕〔曖昧なままの自己管理〕〔症状の自覚〕〔重要であると感じること〕〔楽観視している内容〕であった。全員が「困ったことはなかった」と回答した。【考察】今回の対象者4 名は家族などのサポートがあり、「困ったことはなかった」という結果になった。しかし、水分管理や血圧の数値などにこだわらない曖昧な自己管理や、症状があっても「大丈夫」という認識で早期受診に繋がらず再入院に至ったのではないかと考える。再入院を防ぐには入院中より、患者の生活様式や理解度を確認しながら個別性を重視した指導が必要であると考える。