第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター23群 住み慣れた地域に戻ることへの支援①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:牛田 貴子

[ポスターY-23-5] 入退院支援を担う看護師の自己効力感に影響を与えた因子の抽出

中村 美佐子, 石渡 未来, 鈴木 江利花, 齋藤 忠明, 西井 晶子 (横浜市立市民病院)

Keywords:退院支援、看護師、自己効力感

【目的】急性期病院の入退院支援を専門に担う看護師を支援するために、看護師の自己効力感に影響を与えた因子を明らかにした。【方法】202X 年10 月~ 202Y 年2 月、急性期A病院の入退院支援業務担当者のうち研究協力に賛同した看護師12 名を対象にフォーカス・グループインタビュー(以下FGI)を実施した。FGI の録音内容から逐語録を作成。自己効力感に影響する4 つの要素(成功体験、代理体験、言語的説得、生理的・感情的状態)に注目し、質的帰納的に分析した。倫理的配慮として、研究協力者に、研究目的・方法、参加は自由意思で拒否による不利益はないこと、個人情報の保護について説明し書面より同意を得た。A 病院看護部倫理審査会の承認を得て実施した。【結果】急性期病院で入退院支援を専門に担う看護師は、部署に配属された際、< 知識や経験不足> により< 自信を持てない> 状況となり、< 慣れないことへの不安・緊張>< 熟練した看護師とのギャップ> を感じていた。また経験を重ねても< 人や部門に挟まれるつらさ>< 担当としての責任の重み> を感じつつ< 孤独・葛藤を抱えながらの調整> をしていた。さらに、コロナ禍による面会制限により患者・家族・医療者・地域関連機関との対話が不十分の中< 早期退院を求められる(状況が)プレッシャー> となっていた。そうした状況下において、< 寄り添い共感してくれる仲間> や< 頼りになり守ってくれる上司の存在>< 地域や他職種・同僚からのプラスのフィードバック><患者・家族の感謝の言葉> を受けることが支えとなり、< 自分で自分を認める> ことにつながっていた。さらに、周囲に相談しつつ様々な知見を得て< 内省し、自分の看護観と向き合う> 経験を積むことで、責任がある仕事だからこその<やりがいや達成感、成長を感じる> と認識を変化させていた。【考察】入退院支援を専門に担う看護師が、困難な経験に対して、1 人で抱え込まず、多様な専門職、同僚や熟練した看護師に相談できる環境があることは重要と考える。先行研究でも述べられているように、成功体験を重ねていくこと、また周囲と協働し認め合うことが自己効力感の向上に影響を与えていたことがわかった。入退院支援を専門に担う看護師を支援するためには、今回抽出した内容を意識したサポート体制や環境作りが必要である。