[ポスターY-28-3] アドバンス助産師Ⓡを対象とした産後の母親への心理支援の質向上プログラムの作成
Keywords:アドバンス助産師Ⓡ、心理支援、質向上
【目的】本研究の目的は、アドバンス助産師Ⓡを対象とした産後の母親への心理支援の質向上プログラムを作成することである。【方法】対象は、A 総合周産期母子医療センターで勤務する13 人のアドバンス助産師Ⓡである。13 人のアドバンス助産師Ⓡに対し、心理支援に関するニーズ調査を行った。調査は、研究者が作成したアンケートを用いて「精神的な不調がある妊婦の支援がしたいか」「アドバンス助産師Ⓡに周産期メンタルヘルスの学習は必要であるか」「周産期メンタルヘルスの学習がしたいか」「周産期メンタルヘルスの学習の機会があるか」「自身の心理支援に自信があるか」の項目で順序尺度を用いて調査を行った。その調査から抽出された結果をもとに心理支援質向上プログラムを作成した。本研究は、「人を対象とする医学研究に関する倫理指針」を遵守して実施した。また、研究参加者へは、研究参加は自由意思によるものであり、断った場合も不利益がないことを伝えた。【結果】心理支援に関するニーズ調査から、A 総合周産期母子医療センターのアドバンス助産師Ⓡは、精神的な不調がある妊婦の支援がしたい(7.7 ± 1.1 点)、アドバンス助産師Ⓡに周産期メンタルヘルスの学習は必要であり(9.6 ± 0.6 点)、学習がしたい(9.5 ± 0.7 点)と考えていた。一方で心理支援を含めた周産期メンタルヘルスの学習の機会がない(4.6 ± 1.6 点)、自分の心理支援に自信がない(3.8 ± 2.0 点)という結果になった。これらの結果から、心理支援の質向上には、「心理支援に関する基礎知識の学習」とアドバンス助産師Ⓡの心理支援の自信につながるような「実践能力強化」の2 段階の教育的プログラムの作成が必要であることが分かった。【考察】アドバンス助産師Ⓡに必要とされる教育的ニーズは、学習の機会を作ること、また、それを実践で活用することであった。学習機会をより多く作るためには、いつでもとこでも学習できる環境を整えること、また、実践能力を強化するためにケースレポートの作成や自分の実践内容を他の助産師と語ることが必要であると考える。今後はこのプログラムが有効であるかどうかを判断するために「適切性」「実行可能性」「忠実度」「有効性」や「プログラム開始前」と「基礎知識の学習後」、「実践能力強化後」の3 時点においての実践能力評価が必要であると考える。