第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター28群 健やかに生まれ育つことへの支援②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:木戸 久美子

[ポスターY-28-4] 外来通院治療で固定処置をした学童と親の視点からみた日常生活上の問題点と対処法

―親へのインタビュー調査を通して―

吉田 知子, 照田 直美 (加賀市医療センター)

Keywords:固定処置、外来通院治療、学童、日常生活上の問題点と対処法

【目的】固定処置(ギプス、副子をさす)をした学童は制限を守れず、親から入浴や固定への不安の声が聞かれることがあった。そこで、学童と介助を行う親それぞれの固定処置に対する日常生活上の問題点と対処法の現状を明らかにすることを目的とした。【方法】実態調査研究とし2022 年4 月~11 月までに電話でインタビューを行った。インタビュー時期は固定後1 週間が1 名、治療終了後が4 名だった。内容を逐語録に起こし身体的、社会的、精神的側面に分けてカテゴリー化した。対象者に研究の趣旨、匿名性及びプライバシーの保護、データは研究以外に使用しないこと、参加及び撤回の自由等を文書と口頭で説明し同意を得た。なお、この研究はA 病院の倫理審査の承認を得て実施した。【結果】対象者は1 ~ 4 年生の男児5 名、面談者は母4 名、父1 名だった。学童の身体的側面は〈不快感〉〈ADL 制限〉〈循環障害の予防〉、社会的側面は〈活動制限〉〈学校生活〉、精神的側面は〈我慢〉〈不安〉〈羞恥心〉〈自立した行動〉〈感謝〉のカテゴリーが抽出された。親の身体的側面は〈不快感〉〈ADL 制限〉〈循環障害の予防〉、社会的側面は〈活動制限〉〈学校生活〉、精神的側面は〈不安〉〈戸惑い〉〈自主性を尊重〉〈感謝〉のカテゴリーが抽出された。固定処置時には紙面と口頭で循環障害の予防等の説明を説明をしているが、5 名中実践できたのは1 名のみであった。【考察】身体的側面では入浴、排泄、書字は学童が出来る範囲で対処し、親がそれを尊重して関わっていた。社会的側面では学童は走り回り、活動制限を守り続けるのは難しく、親や周囲の協力が不可欠である。精神的側面では学童の不安の訴えは少なく、親は固定後1 週間の時点では対処法や病状がわからない不安を抱えていた。治療終了後では安静を守れず再骨折への不安があったと答えた。その背景として固定後初期はADL 制限による不自由さを感じていたが、学童は次第に適応し活動が広がり安静を守れなくなることが考えられた。また、現在の指導方法では、三角巾を外してしまった事や、固定具によりかかり骨折面が転位したため再度整復して固定方法が変更になった事があり、十分に伝わっていないと考えられた。今後は合併症予防や活動制限に応じたイラストと写真を活用したよりわかりやすいパンフレットを用いて理解を深める指導の必要性が示唆された。