第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター3群 ワークエンゲージメントを高める③

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:伊藤 恵

[ポスターY-3-4] 訪問看護師が就業継続できる環境づくりに関する管理者とスタッフの認識

川原 瑞代, 中角 吉伸, 金子 美千代, 宮 ゆうこ (宮崎県立看護大学看護学部看護学科)

Keywords:訪問看護師、就業継続、管理者、スタッフ、認識

【目的】訪問看護師が就業継続できる環境づくりについて、管理者とリーダー及びスタッフ(以下、スタッフ)の認識を比較する。【方法】A県内全訪問看護師749名を対象に、令和4年2月に自記式質問紙を郵送配付・回収した。調査項目は職位、年代、訪問看護ステーション規模、在職年数、訪問看護経験年数等及び訪問看護師が働き続けられる環境について(自由記載)とし、単純集計及び質的帰納的分析を行った。〈倫理的配慮〉無記名調査とし、配付時に説明文(目的、方法、内容、参加・不参加・撤回の自由とその際に不利益がないこと等)を添付し、質問紙返送により同意有とした。【結果】343名分を回収(回収率45.8%)し、全て有効とした。職位は管理者63人(18.4%)、スタッフ280人(81.6%)であった。2.5人以上5人未満の訪問看護ステーション就業者が149人(43.4%)で最多であった。在職年数5年未満は、管理者46.0%、スタッフ65.4%であった。訪問看護経験年数は、管理者46.0%が10年以上、28.5%が5年未満であり、スタッフの60.3%が5年未満であった。自由記載の分析では管理者から76コード20カテゴリー、スタッフから152コード28カテゴリーを抽出した。訪問看護師が働き続けられる環境について、管理者とスタッフのカテゴリーを比較し、共通性があったのは〈訪問看護人員の充足〉〈国の訪問看護の価値の見直しや処遇改善〉〈個別性に合った働き方〉〈負担や不安の軽減〉〈職場のチームワークの醸成〉〈やりがい〉〈スキルアップの機会〉〈訪問看護の魅力や価値の発信〉等であった。相違性があったのは、管理者では〈必要な人材確保のための安定収入〉〈大規模化、多角化などの経営戦力の再考〉〈健康に働ける職場づくり〉等、スタッフでは〈経営者の法令順守〉〈自律ややりがいを支援する管理者の存在〉〈地域の訪問看護師の繋がりの強化〉〈コミュニティとの繋がりの強化〉〈モデルとなる訪問看護師の存在〉等であった。【考察】在職年数や訪問看護経験年数の少ない管理者もあり、経営基盤の安定や多様な働き方への対応などに取り組む管理能力を高める必要がある。チームワークが良好でロールモデルとなる管理者が存在し、自事業所に留まらず、地域との繋がりを深め訪問看護の役割ややりがいを経験できる機会が増えることは、就業継続の一助となると考えられる。