第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター30群 医療安全②

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:渡部 節子

[ポスターY-30-3] 人工股関節置換術患者の夜間転倒を防ぐために行う環境整備における看護師の判断

古谷 あす花, 中村 祥英 (静岡県立総合病院)

Keywords:転倒、人工股関節置換術、判断

【目的】人工股関節置換術(以下THA)後の患者の転倒率は健常者よりも高い。術後の転倒は骨折・脱臼を引き起こす可能性が高く、更に入院期間の延長や患者のQOL 低下を招くため未然に転倒を防ぐ必要があり、環境整備は不可欠である。日中の環境整備を行う看護師の判断についてや、夜間未明から早朝にかけて転倒が増えることは先行研究で明らかになっている。しかし転倒が多い夜間帯に看護師が行う環境整備に関する判断については明らかになっていない。本研究ではTHA 後の患者が夜間に転倒することを防ぐために環境整備を行う看護師の判断を明らかにする事が目的である。【方法】インタビューガイドを作成し整形外科病棟で夜間にTHA 術後患者を受け持った経験のある6 年目以上の看護師に半構造化面接を行った。データ分析方法は、看護師がTHA 術後の患者が夜間に転倒を予防するために行う環境整備に関する判断を語っている文脈を抽出しコード化し、さらにカテゴリー・サブカテゴリーに分類した。面接を行う前に参加者に本研究の目的、ボイスレコーダーの使用、プライバシーの保護、参加は自由意志であることを説明した。本研究は研究実施施設の臨床研究倫理委員会の承諾を得て行った。【結果】研究参加の同意を得られたのは7 名であった。THA 術後の患者の夜間の転倒を防ぐ目的で行う環境整備に関する看護師の判断として、「患者の転倒予防に関するアドヒアランスの程度」「転倒リスクを高める夜間特有の患者の状況」「転倒リスクを高める室内物品の配置及びその変化」「THA 術後の患者特有の状況」という4 つの判断があることが明らかとなった。【考察】看護師は患者の言動からアドヒアランスを把握して転倒のリスクを判断し、転倒予防のための環境整備を行っている。また本研究で得た結果では、夜間でもTHA 術後の患者以外にも当てはまる一般的な環境整備の判断を優先し、脱臼リスクを考慮した環境整備を行っていた。今後はTHA 術後の歩行状態などの身体状況も判断に含め、夜間転倒を防ぐための環境整備を強化していく必要があると結論づけた。