第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター32群 周術期の看護

2023年11月9日(木) 14:30 〜 15:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:中野 あけみ

[ポスターY-32-4] 帝王切開を受けた褥婦の早期離床への支援

―疼痛軽減ができる模擬練習の導入―

鈴木 美千子, 小林 厚子, 川崎 秋穂 (竹田綜合病院)

キーワード:帝王切開、模擬練習、早期離床、疼痛軽減

【目的】妊婦から帝王切開術後の早期離床時の痛みや、不安の声が聞かれる。そこでリハビリと共に検討した痛みを軽減できる術後の起き上がり動作の模擬練習を行ない、前回の帝王切開術後離床時の体験と比べ今回の起き上がり動作がスムーズに行えたか、またその要因を明らかにする。尚、術後1 日目に自力で起き上がり端坐位ができた状態を早期離床としスムーズに行えたこととした。【方法】対象は前回帝王切開術で出産した経産婦29 名。データ収集方法は模擬練習を手術の前日と当日に行い、前回の帝王切開術後の離床の状況と今回の離床の状況や心配だった事、離床できた理由について無記名式のアンケートを実施し、結果を単純集計、記述内容を分析した。対象者に研究の目的・方法、個人情報の取り扱いなど文章で説明し同意を得た。A 病院の臨床倫理委員会で承認を得た。【結果】アンケート回収は28 件。術後1 日目の離床は前回の17 名、今回21 名だった。前回の心配だった事は、痛みが27 名、排泄が17 名、授乳が12 名、離床時の体の動かし方は8 名。離床時の体の動かし方では「起き上がりのイメージができずやろうという気持ちが低い」「体を動かしたら痛みが増強しそうで怖い」「術後の心理状況ではすぐに離床の理解ができない」だった。今回の心配だった事は、痛みは25 名、排泄が9 名、授乳が5 名、離床時の体の動かし方は8 名。今回離床ができた理由は鎮痛剤の効果が11 名、模擬練習で自信がついたが9 名、内6 名が術後1 日目に歩行し内3 名は痛みの軽減と回答した。今回離床しようと思った理由は早期回復できるが15 名、早く歩きたいが14 名、鎮痛剤が効いたが12 名だった。模擬練習でイメージができ自信をもったと7 名が回答し、やり方がわかっていた事が大きいだった。早期回復できるの内7 名は「授乳をしたい」「早く母子同室したい」の回答だった。【考察】術後の鎮痛効果を得ることは早期離床を促進させる要因であり、模擬練習で離床動作のイメージを膨らませる動作方法を伝えた事、動き方の自信をもてた事で早期離床に繋がったと考える。妊婦が離床開始前に抱いていた創痛、体の動かし方、身体の回復、離床のイメージ等の不安に関して模擬練習はスムーズな早期離床に向けた効果方法と考える。また、早期離床ができ回復の自信を持つことは母親役割遂行に対する思いを促進させることに繋がる。