第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター33群 術後の機能障害への対応

Thu. Nov 9, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:松井 弘美

[ポスターY-33-3] 頭頸部がんの手術を受けた患者の退院後の口腔状態と口腔ケアのタイミングとの関連

佐々木 優子, 畑 サヤカ, 京盛 愛枝, 長谷川 理世 (福井大学医学部附属病院)

Keywords:頭頸部がん患者、手術後、退院後の口腔状態、口腔ケアのタイミング

【目的】頭頸部がんの手術を受けた患者は口腔内の形状が変わるため新たな口腔ケア習慣を確立する必要がある。先行文献では起床時と眠前の口腔ケアが重要とあった。しかし頭頸部がんの手術を受けた患者の口腔ケアタイミングと口腔状態を調査した文献はなく、これらの関連を調査し口腔ケア指導の一助にすることを目的とした。【方法】対象は2022 年4 月1 日~ 2023 年3 月31 日に頭頸部がんの手術を受け口腔ケアを自分自身で行う者。退院後初回外来時に無記名自記式アンケート調査とOHAT-J での口腔状態観察を行った。属性、術式、退院後の口腔ケアタイミング、口腔ケアにかける時間、丁寧な口腔ケアの自覚の有無とOHAT-J について単純集計、Mann-Whitney のU 検定を行い有意水準5%とした。倫理的配慮は対象に自由意志、同意撤回の自由、個人特定されない旨を説明した。【結果】対象者17 名、平均年齢68.8 ± 8.5 歳。術式は皮弁再建術12 名(70.6 %)、遊離空腸再建術3 名(17.6%)、喉頭全摘術2 名(11.8%)、口腔ケアタイミングは複数回答可とし起床時・眠前の両方実施6 名(35.3%)、起床時8 名(47.1%)、朝食後12 名(70.6%)、昼食後13 名(76.5%)、夕食後13 名(76.5%)、眠前9 名(52.9%)、口腔ケア未実施者はいなかった。OHAT-J 合計平均点1.29 点(最小0 点、最大6 点)、やや不良が多かった項目は口腔清掃(35.3%)、口腔ケアにかける時間は平均4.1 分(最小1 分、最大10 分)、丁寧な口腔ケアの自覚有りは12 名(70.6%)だった。年齢や術式、口腔ケアにかける時間、丁寧な口腔ケアの自覚とOHAT-J との間に有意な差はみられなかった。OHAT-J 合計点と口腔ケアのタイミングでは起床時・眠前共に口腔ケアを実施する者としない者に有意な差があった(p<0.05)。【考察】7 割以上の患者が口腔ケアを丁寧に実施していると回答していたが、口腔清掃がやや不良が3 割あった。つまり認識と実施状況が乖離しており、患者が丁寧に口腔ケアを実施していると自覚していても定期的な看護師の観察と患者教育が必要と考える。また先行文献では起床時と眠前の口腔ケアが有用と述べており今回の調査でも同様の結果が得られた。年齢や術式、口腔ケア時間に関わらず「起床時と眠前の口腔ケアが重要」と指導を強化する必要がある。