第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター36群 栄養摂取・嚥下機能の維持向上

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:横川 敬子

[ポスターY-36-2] 内科混合病棟における異なる疾患を持つ低栄養患者への栄養サポート介入の効果

縄巻 由美子, 小田 舞, 萩原 希望 (焼津市立総合病院)

Keywords:NST、栄養管理、回復への活力、生活の質

【目的】入院中の低栄養の患者に対して栄養サポートチーム(以下NST と略す)による栄養サポートを行い、患者の身体的・精神的変化を明らかにする。【方法】A 病院のNST は医師、看護師、管理栄養士、薬剤師で構成され、週に一度各病棟をラウンドし、その患者にふさわしい栄養管理方法の指導や提言を行っている。B 病棟に入院中の低栄養患者でNST介入している5 名を無作為に抽出し、介入から退院までの患者の言動や行動、日常生活動作、気持ちの変化、検査データ、治療や処置内容、食事形態や摂取量、栄養サポート内容をカルテからデータ収集し、患者ごとに時系列にまとめた。日常生活動作は機能的自立度評価法を参考に表を作成し、その日の担当看護師が日中の一番良い時の日常生活動作を毎日記録し、点数化した。気持ちの変化はA 病院で使用している生活のしやすさ表を参考に質問表を作成し、週に一度患者のベッドサイドで聞き取りを行い、点数化した。それらをNST 介入前後で比較した。なお、日本看護協会及び医療における研究の倫理的配慮に基づき実施し、研究計画方法についてはA 病院倫理委員会の承諾を得た。対象となる患者あるいは家族に研究の目的、方法について説明し同意を得た。【結果】検査データでは、CRP 値は5 事例とも改善し、平均値は- 5.19mg/dl であった。アルブミン値は4 事例で改善し、平均値は+ 0.42g/dl、体重は4 事例で減少し、平均値は-2.15kg であった。日常生活動作の平均値は+ 6.2 点、気持ちの変化は平均値+ 1 点であった。【考察】対象患者5 名の疾患は様々で、ほとんどの患者が複数の疾患を併せ持っていた。体重は減少したが、アルブミン値は上昇し、栄養状態は改善傾向にある。またCRP 値は全事例で下がっており、感染リスクは回避できた。これは抗生剤等の治療の効果もあり、すべてがNST 介入による効果とは言えないが、治療の効果を高めていることが分かる。治療効果を上げるためのひとつの要素として、栄養状態の維持・改善が重要である。治療と合わせて、速やかに栄養状態を維持・改善することが急性期病院におけるNST の役割である。また、患者に合った早期からのNST 介入が求められるが、そのタイミングを図れるのは患者の一番近くにいる看護師である。NST 介入は、治療効果を高め、回復への活力となり、患者の生活の質を高めていく。