第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター37群 看護記録、看護提供体制

Thu. Nov 9, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:上野 瑞子

[ポスターY-37-2] ERCP 看護記録に対する看護師の意識調査

―記録の標準化を目指して―

鄙里 奈美, 宮竹 由紀子, 永元 亜沙美, 有松 佳美, 清水 喜代美 (田川市立病院)

Keywords:ERCP看護記録、標準化、意識調査

【目的】A 病院において内視鏡逆行性胆道膵管造影法(以下、ERCP)の件数は年々増加している。現在ERCP 看護記録の記載方法は統一されておらず看護記録に要する時間がかかっている。記録に費やす時間がかかることにより看護師の精神的負担があり継続看護や看護の質の向上が図れていないのではないかと考えた。今回、事前にアンケート調査を行った結果から標準化した看護記録の必要性と今後の課題が明らかとなったため報告する。【方法】A 病院内視鏡室看護師7 名に対し独自に作成したアンケート調査を行った。アンケートは無記名とし項目は経験年数、記録経験や困難感の有無、記録に要する時間、記録の必須項目を複数回答、自由記載とした。そのうち聞き取り調査に同意を得られた3 名に対しアンケート調査の結果をもとに半構造的インタビューを行った。内容は同意を得て記録し逐語記録を作成した。得られた逐語記録データをコード化し、サブカテゴリー、カテゴリーを抽出した。以下、『』サブカテゴリー、〈〉カテゴリーとする。なお、本研究はA 病院倫理委員会の承認を得て実施した。研究対象者には本研究目的を文書で説明し同意を得られた。【結果】アンケート結果においては全員が記録に要する時間がかかる、7 名中6 名の看護師が記録で困ったことがあると回答した。自由記載では内容と量をどこまで記載すべきか記録漏れがないか不安との声が聞かれた。インタビューでは26 のコードをもとに、『記録に要する時間』『業務や時間に追われる焦り』『看護記録における困難感』『葛藤』『標準化記録に対するプラスイメージ』『継続看護に対する思い』『時間的要因』『物理的要因』8 項目のサブカテゴリー、〈タイムスケジュール管理〉〈看護記録に対する思い〉〈設備の問題〉3 項目のカテゴリーを抽出した。【考察】内視鏡看護師はERCP 看護記録に対して時間的問題や記載方法、記載内容に困難感、葛藤など抱いており標準化記録の作成について期待している。更に記録についてプラスイメージを持てるよう記録の意義や必要性を認識できる勉強会の計画、実施など働きかけが必要である。ERCP 看護記録を標準化することにより記録に要する時間の短縮や看護師の精神的負担の軽減、円滑な継続看護を図れることが示唆された。今回のERCP 看護記録に対する意識調査をもとに標準化した看護記録を作成し記録を評価することが今後の課題である。