第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター37群 看護記録、看護提供体制

Thu. Nov 9, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:上野 瑞子

[ポスターY-37-3] 参画理論を基にした担当看護師役割調査報告

渡邊 仁美, 森田 理恵, 大櫃 恵子, 森 輝美 (鳥取大学医学部附属病院)

Keywords:看護提供方式、退院支援、パートナー

【目的】A 大学医学部附属病院看護部は、1991 年より病棟外来一元化、1994 年よりマイナースシステムを構築し担当看護師役割実践を約30 年継続している。看護提供方式は、継続受け持ち制・固定チームナーシングに対し、担当看護師役割を補完する固定パートナーの導入、受け持ち看護師の部屋割り方法等柔軟に検討してきた。2021 年担当看護師役割17項目に対し、参画理論をもとに参集、参与、参画の3 段階の役割実践内容を記したガイドラインを新たに作成した。今回、看護師実践能力の要素(JNA ラダー、年齢、経験年数等)が、担当看護師役割実践に対する影響をあきらかにするためアンケート調査を行った。倫理的配慮:個人を特定しない調査票提出にて同意。【方法】調査期間:2021 年12 月から2022 年12 月。対象:看護師126 名(2021 年度54 名2022 年度72 名)。主要評価項目は、担当看護師役割調査17 項目に対し参集1 点、参与2 点、参画3 点合計102 点で自己他者評価しカテゴリー毎に割合を算出した。担当看護師役割17 項目のカテゴリーは、担当看護師の紹介3 項目、情報収集/ニーズの把握4 項目、目標設定/意思決定支援3 項目、看護計画・実践5 項目、退院支援2 項目である。副次評価項目は、看護単位、年齢、性別、役職、看護師経験年数、配属経験年数、JNA ラダーの設問とした。【結果】担当看護師役割調査の自己他者評価ならびに看護単位による差は認めなかった。参集85%、参与64%、参画47%の実践割合であったが、2022 年度参画51%は2021 年度42%より上昇していた。カテゴリー別では、担当看護師の紹介86.6%、情報収集/ニーズの把握86.5%、目標設定/意思決定支援76.0%、看護計画・実践71.7%、退院支援58.6%であった。JNA ラダー3 以上は、医師との患者の目標設定の話あいが高く(P < 0.05)、副師長は、カンファレンスの調整が高かった(P < 0.05)。【考察】今回、看護実践能力の要素JNA ラダー3 以上と副師長役割は、担当看護師役割実践の「医師との目標設定」と「カンファレンスの調整」に影響していた。参画理論では、1 人の対象者に対しチームの参画レベルの介入が増えると、対象者の主体性が上がると言われている。担当看護師役割実践の差を、チームでお互い補い患者1 人1人に対する参画レベルを向上させる必要性が示唆された。