[ポスターY-4-2] 病棟看護師における残業時間とストレスとの関係性について
―アンケート調査から分かった今後の課題―
Keywords:時間外残業、ストレス、看護師
【目的】A 病棟看護師における時間外残業とストレスの関係性について考察し、労働環境改善につなげる。【方法】2022 年3 月~ 7 月にA 病棟の看護師28 名に対し厚生労働省が作成する「職業性ストレス簡易調査票(簡易版23 項目)」を用いてアンケート調査を実施した。その結果から高ストレス群(以下B 群)と低ストレス群(以下C 群)に分け、残業時間を比較した。また属性として、結婚の有無、こどもの有無、看護師勤務年数を回答してもらった。今月の残業時間と今月一番ストレスに感じたことを自由記載してもらった。本研究は対象者に調査の趣旨を説明し、個人情報の保護、参加または不参加における不利益の回避に努め、アンケートの回答をもって同意が得られたと判断した。【結果】月ごとにB 群とC 群に分け平均時間外残業時間を比較した結果、3 月のB 群の残業は19 時間、C 群の残業は18 時間、4 月のB 群の残業は16 時間、C 群の残業は15 時間、5 月のB 群の残業は12 時間、C 群の残業は16 時間、6 月のB 群の残業は12 時間、C 群の残業は15 時間、7 月のB 群の残業は15 時間、C 群の残業は12 時間となった。アンケートの項目では仕事のストレスの要因として「一生懸命働かなければならない」が一番多く挙げられた。高ストレス者を看護師経験年数別に集計した結果、3 ~ 5 年目が高ストレスの割合が高かった。また、結婚「あり」又はこども「あり」と回答した看護師のうち、B 群となった看護師はいなかった。【考察】結果からB 群とC 群での時間外残業時間に差はみられなかったため、高ストレスの要因は時間外残業時間とは限らず、仕事の質や内容がストレスに大きく影響している可能性があると考えられる。高ストレス者を経験年数別にみた結果、3 ~ 5 年目が高ストレスの割合が高かった。3 ~ 5 年目は独り立ちし始め、新人の教育にも携わるため仕事に対する責任が増えることがストレスの要因となっていると推測される。このことからも、経験年数の比較的浅い中で教育に携わる看護師に対するフォローは必要と考える。アンケートの結果から、結婚「あり」又はこども「あり」と回答した看護師は全てが高ストレス群と判定されなかったが、自由記載からは、仕事と私生活の両立が出来ずストレスを感じていることが伺えた。このことから、潜在的なストレスを抱えているため、ワーク・ライフ・バランスを保つための環境整備は必要である。