[ポスターY-4-3] A病院の看護職者における更年期症状の実態
Keywords:更年期、更年期症状、看護職者
【目的】先行文献では、看護職者は更年期症状を持ち健康上のリスクを抱えながら仕事に従事していると報告している。実際に働いている中で更年期症状を我慢しながら勤務している姿を見聞きしていたため、更年期症状を感じて働いている看護職者は多くいるのではないかと考えた。そこでA 病院に従事する看護職者の男女において、更年期症状の実態を明らかにし、看護職者における更年期障害の理解の促進に繋がることを目的とする。【方法】対象者はA 病院に従事する男女40 ~ 60 歳の看護職者214 人。研究デザインは、実態調査型研究とした。データ収集方法は、自記式質問用紙を使用した。基本属性は性別、年代、勤務形態とした。更年期症状の質問用紙は簡略更年期指数(SMI)、日本人女性の更年期症状評価表、ハイネマンのAMS(aging males symptoms)スコアに基づき3 評価表に共通する症状を選択し、研究者が作成した。症状の詳細は症状の問い13 項目と自由記載とした。症状の程度は4 段階評価とし分析方法は基本統計量を算出した。倫理的配慮として、本研究への参加は自由意思であること、参加に同意できる場合はアンケート提出をもって同意とした。データの保管については、個人が特定できないよう暗号化し、電子媒体にパスワードをつけて保管した。またA病院の看護部倫理委員会および院の倫理委員会で承認を得た。【結果】回答人数181 人、回収率84.6% であり、そのうち有効回答人数178 人、男性6 人、女性172 人、有効回答率98.3% であった。過去1 年以内に1 つでも症状があった看護職者は、男性100%、女性91.5% であり、A 病院の40 ~ 60 歳の看護職者94.9% は更年期症状を感じて働いていた。男性の症状では眠りが浅い100%、寝つきが悪い83.3%、疲れやすい83.3%、女性の症状は疲れやすい81.4%、腰の痛みがある71.5%、イライラする63.4% であった。また、症状改善のための対策をとっていない69.7%であった。【考察】A 病院の看護職者における更年期症状の実態は更年期症状を感じて働いている。しかし症状改善のために具体的な対策をとっていない看護職者がいることが明らかになった。看護職者が更年期症状の知識を深め、症状を感じている職員が自身の心身状態を理解した上で対策をとり、周囲に伝えることで更年期障害の理解の促進に繋がると考える。