[ポスターY-41-2] ICU 看護師のリハビリテーションに対する意識と看護実践
Keywords:ICU、リハビリテーション、意識、看護実践
【目的】ICU で患者のリハビリテーションに取り組む看護師の看護実践、リハビリテーションに対しての意識を明らかにし、今後看護師がICU において安全で効果的なリハビリテーションを含めた看護実践をしていくための示唆を得る。【方法】質的記述的研究。A 病院のICU に勤務する3 年目以上の看護師に半構成的面接を実施した。逐語録を作成し研究者間で熟読し、ICU に勤務する看護師の看護実践、リハビリテーションに対する看護師の意識についての語りを抽出した。コード化、サブカテゴリー化、カテゴリー化した。研究者らが所属する生命倫理委員会の承諾を得た。研究同意後も同意を撤回できること、データは本研究以外では使用せず、個人が特定されないように情報管理することを説明した。【結果】5 名の看護師へ面接を実施し、58 コード、13 サブカテゴリー、5 カテゴリー《残存機能の維持・回復を意識した看護実践》《経験不足でリハビリテーション実践に至らない》《協働してリハビリテーションを進めていく看護師の意識と行動》《集中治療におけるリハビリテーションの優先順位》《患者の変化や経験を通したリハビリテーション意識の変化》が抽出された。【考察】ICU 看護師は《残存機能の維持・回復を意識した看護》といった、集中治療中の患者の日常生活援助の中で患者の出来る力が発揮できるよう支援していた。また、安全性の配慮や看護師の役割を意識しながらリハビリテーションに参加していた。ICU 看護師は、患者のリハビリテーションの効果を実感し、先輩看護師と経験をともにすることでリハビリテーションへの意識の変化が醸成されると推察された。リハビリテーションに意識が及ばないICU 看護師は、重症集中ケアという特殊な環境や重症患者に対するリハビリテーション自体に恐怖心を抱き、看護実践を躊躇させる要因になっていることが考えられた。ICU 看護師のリハビリテーションに対する意識には個人差があるが、意識できている看護師から日常生活援助の中でもできるリハビリテーションがあることを後輩に伝えていくことがICU 看護師のリハビリテーション意識の変化に期待できると考える。重症集中ケア中であっても患者の日常生活援助の中にリハビリテーションを意識させ、効果を実感させることがICU 看護師のリハビリテーション役割意識にも変化が期待できることが示唆された。