[ポスターY-42-4] 老衰死の看取り看護についての意識調査
―地域包括ケア病棟にて老衰死のケアを担当した看護職に焦点を当てて―
Keywords:老衰死、看取り、エンド・オブ・ライフケア
【目的】老衰の終末期の看護観や看護実践を共有するため、包括ケア病棟で働く看護職が老衰死の看取りの看護の実践や思いを明らかにすることを目的とする。【方法】1.調査期間:202X 年8 月~ 11 月。2.対象者:A 病院ケア病棟において老衰が原因で亡くなった患者1 名に対して関わった病棟看護職3 名。3.調査内容と方法:老衰が原因で亡くなったA 氏の看取りの看護に対してどのような思いがあり看護したのか、家族との関わりはどのようにしたのか、医療行為についてのどのような思いがあるのか、をインタビューした。対象者の同意を得た上でI C レコーダーに録音し逐語録に記述した。分析方法:基本属性は単純計算。インタビューにより得られたデータは帰納的にカテゴリー化。5.倫理的配慮:A病院倫理審査委員の承認を得て実施した。対象者に研究の目的、個人情報の保護、自由意志の参加であること等を口頭と文章で調査依頼を行い同意書の提出を持って意思確認を行った。【結果】対象者は女性3 名であり、平均年齢は52.1(SD8.3)歳で看護職としての経験年数は12 年以上あり、A 病棟での経験年数は8 年から12 年であった。語られた内容から3 つのカテゴリー、10 のサブカテゴリーが抽出された。カテゴリーを『』、サブカテゴリーを「」で示す。『看取りに対する家族への支援』は「終焉の予測を家族に伝える難しさ」「病院における家族の看取り時間の共有」「在宅での看取りの課題」「看取り場所の選択」に分類された。『自然経過での看取りのゆらぎ』は「医療者側の都合による延命に繋がらない医療行為」「不要な医療を遠ざける」「自然経過の看取りの不安」に分類された。『医療が中心となる看取り』は「本人の意思を尊重した意思決定支援」「相互関係がある家族への説明」「癌の疼痛コントロール」に分類された。【考察】老衰の終末期では、延命に繋がらないと理解していても医療行為は必要と迷いつつも、本人の意見を尊重し家族が看取り時間を共有できるように自然経過で安楽な看取り支援を行いたいと思っていることが示唆された。