第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター44群 看護職の心の働きとその対処②

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:勝山 貴美子

[ポスターY-44-1] 卒後2 ~ 3 年目のICU 看護師が経験する困難とその背景

澤田 晴輝, 嶋田 有紗, 杉 春花 (北播磨総合医療センター)

Keywords:卒後2 ~ 3 年目、ICU看護師、困難

【目的】経験の浅いICU 看護師が看護実践上で困難を感じていることが示唆されている。A 病院では新人看護師にプリセプター制度を導入しているが、2 年目以降ICU 看護師がどのような困難を抱いているのか明らかにされていないため、卒後2 ~ 3 年目のICU 看護師が経験する困難とその背景を明らかにする。【方法】A 病院の倫理審査委員会の承諾を得た。2022 年3 月~ 6 月にA 病院の卒後2 ~ 3 年目のICU 看護師7 名を対象に研究内容、倫理的配慮として研究参加は自由意思であり研究に協力しないことで不利益を被ることはないことを研究協力者に説明した。同意の得られた4 名に対しインタビューガイドを用いて半構造的インタビューを実施した。インタビュー内容を基に逐語録を作成し、困難また困難の背景となる内容を抽出しコード化した。コードの意味・内容を複数の研究者で解釈し、類似性に従いカテゴリーとし妥当性を高めた。【結果】卒後2 ~ 3 年目のICU 看護師が経験する困難は「根拠を含めた学習が難しい」「学習したことを実践に繋げることが難しい」「重症患者になってくるとアセスメントが難しい」「現場での経験でしか学べないことがある」「患者・家族との関わりが難しい」「急変時の対応に不安がある」「何をすればよいのか判断が難しい場面がある」「的確に報告することが難しい」の8 項目に分類された。また困難の背景要因としては「自分に自信が持てない」「周囲からのプレッシャーがある」「他者評価を受ける機会が少なくなる」「他者に聞きにくくなると感じる」「威圧的な態度だと萎縮してしまう」「教育が変わると困る」「マンパワーが不足している時が困る」の7 項目に分類された。【考察】卒後2 ~ 3 年目のICU 看護師は、重症患者の複雑なアセスメントを行うために自己学習を行うが、疾患の理解や学習したことを実践に繋げることを困難と感じていた。OJT からしか学べない事も多く、また急変や患者家族への対応は経験したことがないと不安に感じており、ICU 看護師への継続した学習支援ならびに実践支援が必要であると示唆された。困難の背景面では、新人看護師と違い、他者評価を受ける機会が減少し、さらにこうあるべきという2 ~ 3 年目看護師像にプレッシャーを感じ、自己肯定感を抱きにくくなっていた。必要時に必要な支援が受けられるように、所属全体で教育を行える環境を整えていく必要があると示唆された。