第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター44群 看護職の心の働きとその対処②

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:勝山 貴美子

[ポスターY-44-2] 集中治療棟における夜間急変シミュレーショントレーニングと振り返りの効果

芳賀 智美, 田仲 愛実, 増子 朗 (いわき市医療センター)

Keywords:急変に対する不安、夜間急変、シミュレーション

【目的】夜間急変シミュレーショントレーニング(以下訓練)と振り返りが、看護師の急変対応への不安軽減に効果があるかを検証した。【方法】令和4 年6 月~ 9 月、集中治療棟看護師20 名に、夜勤を想定した訓練を実施した。訓練は看護師3 名が機器や人形を用いて2 か月間に2 回実施、研究員2名が医師役と映像記録を担当した。訓練実施毎に、「除細動器の介助」など『急変に対する知識・行動』13 項目を「できる:1 点」「できない:0 点」で自己評価後、振り返りを行った。研究員は、映像を後日確認して他者評価を行い、2 回分の自己・他者評価結果を個別に説明した。訓練終了後に全体の評価結果をもとにカンファレンスを実施し、できたこと・よくなったことを共有した。また、夜間急変時の不安について無記名のアンケートを訓練前後に計3 回実施した。内容は『急変に対する知識・行動』13 項目に加え、「メンバーとのコミュニケーション」など『急変に対する不安』13 項目、回答は「強く不安を感じる:4 点」~「全く不安を感じない:1 点」、夜間急変時の不安については自由記載とした。回収は設置した鍵付きの箱に厳封後自由投函とした。分析は、自己・他者評価の平均値を前後で比較、アンケートはウィルコクソン順位和検定法で比較、自由記載、振り返り・カンファレンスの意見は類似した内容にまとめた。【結果】訓練・評価実施率、アンケート回収・有効回答率は全て100%であった。評価の平均値は1 回目自己9.7 点、他者12.1 点、2 回目自己11.8 点、他者12.5 点であった。訓練ごとの振り返りでは「不安があった技術を具体的に認められて自信がついた」などの意見があった。アンケートの『急変に対する知識・行動』は、1・2 回目がp=0.031、2・3 回目がp=0.016、『急変に対する不安』は、1・2 回目がp=0.029、2・3 回目がp=0.001、訓練実施後は不安が有意に軽減した。自由記載では「声掛けの大事さが分かった」などであった。カンファレンスでは「2 回訓練を行い自身の役割が分かり急変対応に自信がついた」「メンバーのチームワークや手技も良くなった」などの意見があった。【考察】訓練と振り返りの繰り返しは、知識・行動の習得となり急変に対する不安軽減になった。また訓練直後の振り返り、客観的な評価と行動を互いに認め合ったことは、夜間急変対応に対する自信に繋がったと考える。