第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター44群 看護職の心の働きとその対処②

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:勝山 貴美子

[ポスターY-44-3] 急性冠症候群患者を受け入れる救急外来看護師が抱える不安の変化

―臨床実践の動画視聴とシミュレーションの効果―

深田 優香, 猪井 伸泰 (札幌徳洲会病院)

Keywords:急性冠症候群、教育、不安

【目的】ACS 患者受け入れに対する不安を調査し、教育後に不安が軽減したかを明らかにする。【方法】救急外来看護師15 名を対象に、ACS 患者対応の何が不安か事前に記述式アンケートで調査する。事前調査の結果、①知識・技術②検査・処置③カテーテル治療までの流れ④他職種との連携⑤高度医療機器⑥カテーテル治療の介助について不安という意見であった。特に意見が多かった①~④の項目に対して不安軽減できるよう、来院~カテーテル治療までの流れを想定した動画視聴・シミュレーション教育の効果があるか調査する。①~④の内容をもとに、準備や入室までの流れ、処置、薬剤、他職種連携などについて10 個の設問のアンケートを作成した。教育前後でアンケートを用い、量的記述的研究を行う。対象者にはアンケート用紙の提出をもって同意とした。参加は自由意思であり個人が特定されないよう配慮した。【結果】アンケート回収率100%、単純集計。教育前後でのアンケート結果全体を通して、「とても不安」25.0% ( 教育前) → 12.7%(教育後)、「不安」36.3%→ 28.7%、「あまり不安でない」32.5%→ 48.7%、「全く不安でない」6.25%→ 10.0%という結果になった。「あまり不安でない」「全く不安でない」群で特に変化が大きかった項目は、「カテーテル室入室までの流れがわからず不安」56.3%→ 86.6%、「検査、処置がわからず不安」37.5%→ 66.7%、「医師の指示や処置など、複数の業務を同時進行できるか不安」18.8%→ 46.6%であった。t検定を用いp<0.05 と設定すると、教育前後では設問2「来院~カテーテル室入室までの流れがわからず不安」に関して、p<0.022であり有意差がみとめられた。【考察】デールの学習ピラミッドでは、講義や読書は5 ~ 10%の学習定着率であるのに対し、視聴覚は20%、体験は75%と言われていることから、視聴覚と体験による教育を組み合わせた。その結果、教育前アンケートでは「とても不安」「不安」の意見が半数以上を占めていたが、教育後アンケートでは「あまり不安でない」「全く不安でない」の意見が上回り、設問1 ~ 10 全体を通して不安が軽減した。更に、設問2 の有意差があった理由として、カテーテル治療に関する処置が未経験でありイメージが付かなかったため、体験したことで不安軽減につながったと考えられる。