第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター45群 看護職の心の働きとその対処③

Thu. Nov 9, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:髙井 今日子

[ポスターY-45-1] 内視鏡治療時の受け持ち看護師が感じる心理的ストレスと軽減を図るための対処法

下平 喜美子 (健和会病院)

Keywords:内視鏡治療、看護師、心理的ストレス

【目的】内視鏡治療時の受け持ち看護師が感じる心理的ストレスの要因を明らかにし、心理的ストレスを軽減させるための対処法を検討する。【方法】2022 年12 月にA 病院内視鏡室に勤務している看護師5 名に対して、インタビューガイドに基づき対面式の半構造的面接法を行い、承諾を得て録音した。得られたデータはそれぞれ逐語録に起こし、コードを抽出し類似性によって分類しカテゴリー化を行った。病院の看護部倫理委員会の承認を受けて実施し、対象者には、研究の趣旨・目的・方法を説明し、署名をもって同意を得た。【結果】内視鏡治療時の受け持ち看護師が感じる心理的ストレスの要因は、80 のコード(以下「 」)、17 のサブカテゴリー(以下<>)、6 のカテゴリー(以下《 》)《患者管理の責任の重さ》《情報収集不足》《情報共有不足》《鎮静剤使用》《患者のリスク》《体制》が抽出された。心理的ストレスの軽減を図るための対処法では、66 のコード、11 のサブカテゴリー、5 のカテゴリー《患者管理の共有》《知識技術の習得》《情報収集》《情報共有》《治療チーム作り》が抽出された。【考察】A 病院における内視鏡治療時の受け持ち看護師は、鎮静の必要性は理解しつつも、<過去のアクシデントの経験>から<過鎮静になることへの怖さ>を感じながら<自分が唯一患者さんを看ている>ことによる孤独感と重責感を感じることで<受け持ち看護師の緊張感>を高めていた。また、情報収集・情報共有不足のままに受け持ち看護師としての役割をすることに不安があり、心理的ストレスに繋がっていたと考える。心理的ストレスの軽減を図るための対処法については、スタッフ間で治療時の患者管理を共有することで孤独感や重責感を軽減し、情報収集や術前訪問を行うことで患者を理解している安心感をもち、<経験と学習><急変時のシミュレーション>を積み重ね、個々の力量をアップすることで自信を持ち、<医師とのカンファレンスの充実>や<ブリーフィング>を実施することが必要であると考える。そして、心理的ストレスが軽減されることで、気持ちに余裕を持つことができ、患者の不安軽減や安楽、異常の早期発見など、より看護の視点で内視鏡治療に対応していけるのではないかと考える。