第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター45群 看護職の心の働きとその対処③

Thu. Nov 9, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:髙井 今日子

[ポスターY-45-2] 心不全患者の看護アセスメントに対する看護師の困難感軽減に向けた取組みの効果

瑞岡 美穂, 道元 希, 藤川 幸子 (山口県済生会下関総合病院)

Keywords:心不全、カンファレンス、アセスメントシート

【目的】学習会と心不全アセスメントシートを使用したカンファレンスは、看護師の心不全患者の看護アセスメントに対する困難感の軽減に有効だったか検討する。【方法】研究期間:令和4 年3 月~ 7 月。慢性心不全認定看護師が、心不全患者が抱える不安の表出時や、せん妄時の対応方法、退院支援について30 分の学習会を5 回実施した。「看護師のがん看護に関する困難感尺度」を参考に、24 項目の心不全看護への困難感アンケートを作成した。評価は6 段階評定尺度(6 点=非常にそう思う~ 1 点=全くそう思わない)とし、B 病棟の看護師48 名にアンケートを実施した(介入前)。独自に作成した心不全アセスメントシート(内服管理・食生活・日常生活自立度・家族関係)を使用して、患者カンファレンスを行った。介入前と同様のアンケートに、カンファレンス後の気づきについて自由記載欄を設け実施した(介入後)。介入前後のアンケート結果をマンホイットニーU 検定を用いて分析した。自由記載は内容をコード化し、カテゴリー分類を行った。本研究は、A 病院の看護部倫理委員会で承諾を得て行った。対象者には口頭と書面で説明し、同意を得た。【結果】介入前後の比較では、「患者の不安への対応」、「せん妄や意識レベル低下時の対応」、「家族の不安への対応」、「呼吸困難に関する知識や技術不足」、「せん妄アセスメントの知識や技術不足」、「退院支援」、「他職種との情報共有」の7 項目で、介入後に有意(p < 0.05)に困難感が軽減した。介入後の自由記載は、87 のコードから[意識][患者理解][行動変容][情報共有[] 協働[]知識]の6つのカテゴリーを抽出した。【考察】慢性心不全認定看護師による専門性の高い学習会の実施により、心不全患者に対する看護に必要な知識や技術を深めることができた。更に、患者や家族の不安表出時の対応やせん妄、意識レベル低下時の対応が行えるようになり、困難感が軽減したと考える。また、心不全アセスメントシートを使用し、内服管理・食生活・日常生活自立度・家族関係について意識的に関わり、情報を得ることができるようになった。退院支援に向けての必要な情報を整理し、患者カンファレンスを行った結果、退院支援や他職種との情報共有に対する困難感が軽減したといえる。今後は、地域の多職種との連携を強化し、心不全患者が地域で安心して療養ができる退院支援の実践が課題である。