[ポスターY-46-2] 部署異動の内示を受けた看護師が異動までに抱く心理的状態と中間管理者に求める支援
Keywords:看護師、部署異動、感情、支援
【目的】看護師の部署異動は適材適所やキャリアアップを目的に行われると言われているが、実際には欠員の補充を目的に本人が希望しない予期せぬ異動が行われることもある。看護師の異動に対する受け止め方は多様であるが、短期間で気持ちの切り替えをしなければならない状況にある。中には、異動へのストレスから体調不良や退職を考える看護師もいると聞く。そこで、異動の内示を受けた看護師の異動までの心理的状態と中間管理者に求める支援は何かを明らかにし、今後の異動時の支援を構築していく示唆を得ることを目的に本研究に取り組んだ。【方法】2022 年9 月~ 12 月、新人看護師としてA 病院に就職し、調査時点を基準に3 年以内に予期せぬ異動を経験した看護師6 人を対象に、半構成的インタビューを実施した。インタビュー内容は逐語録化し、質的記述的な方法で分析した。対象者には、研究の趣旨、匿名性、プライバシーの保護、データの取り扱い、自由意思による参加等について書面と口頭で説明し、同意書への署名により同意を得た。【結果】1.内示を受けた看護師が異動までに抱く心理的状態は55 コードが抽出され、24 のサブカテゴリー、9 のカテゴリーに分類された。心理状態で最もコード数が多かったカテゴリーは[ 部署異動に対する否定的感情] であり、次にコード数が多かったカテゴリーは[ 異動理由に対する困惑] と[ 異動に対する漠然とした不安] の2 つであった。さらに、[ 内示を受けた直後に生じる心の状態][ 異動によってモチベーションが低下][ 上司からの支援を受ける中で変化した考え][ 部署異動を諦観][ 部署異動に対する肯定的感情][ 部署異動に対するポジティブ思考] のカテゴリーが得られた。2.異動の内示をうけて中間管理者に求める支援は19 コードが抽出され、10 のサブカテゴリー、3 のカテゴリーに分類された。最もコード数が多かったカテゴリーは[ 上司から受けた支援] であり、他に[ 上司に求める支援][ 必要のない上司の支援] のカテゴリーが得られた。【考察】予期せぬ異動の内示を受けた看護師の心理状態は、直後は驚きや疑問、異動に対する否定的な気持ちであるが、徐々に異動先の業務に対する不安へ変化していく。そして、自身の異動の理由を知りたいと考え、理由について思い悩んでいる。また、新部署へ異動するまで不安を解消し前向きになれるような期間や上司からの継続した声掛けの支援を必要としていることが分かった。