第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

Presentation information

ポスター

ポスター47群 基礎教育

Thu. Nov 9, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:永谷 智恵

[ポスターY-47-3] おむつ内排泄体験による看護学生の学び

―テキストマイニングによるリフレクションシート分析―

吉田 宗範1, 早川 典子1, 伊藤 佳代1, 林 真紀1, 野本 祐三子1, 佐々木 千香子1, 阿久津 滝子1, 佐藤 聖一2 (1.那須看護専門学校, 2.国際医療福祉大学医療保健学部看護学科)

Keywords:おむつ内排泄体験、看護学生、テキストマイニング、職業意識

【目的】おむつ内排泄体験(以下、体験)における看護学生(以下、学生)の学びを明らかにする。【方法】対象:A 看護専門学校1 年生43 名のリフレクションシート(以下、シート)。B 臨床倫理委員会の承認後、学生に研究の趣旨、参加の自由、参加の可否が成績に影響しない事、羞恥心や精神的苦痛を伴う予測等を文書及び口頭で説明し同意を得た。方法:日常生活援助技術科目の一部として、自宅での体験とシートの記載を課した。分析方法:テキストマイニングの手法で分析した。語と語の関係性を示す共起ネットワークを算出した。【結果】シートの回収数は40 名、回収率93%、総抽出数3376 語、品詞別語数521 語であった。共起ネットワークの算出結果から8つのクラスターが抽出され「語」の繋がりから、以下のように命名した(以下、「語」<クラスター名>)。①「おむつ」「患者」「思う」「不快」「気持ち」他10 語が共起した<体験した患者の不快な思い>②「精神」「大きい」「忘れる」他3 語が共起した<精神的苦痛>③「看護」「少し」「理解」3 語が共起した<看護師としての患者理解>④「恥ずかしい」「嫌」「想像」3 語が共起した<想像以上の羞恥心>⑤「強い」「不安」「気分」3 語が共起した<患者の立場に立つ>⑥「待つ」「取り替える」2 語が共起した<患者への配慮>⑦「実際」「今回」2 語が共起した<実際の体験>⑧「実習」「時間」2 語が共起した<実習に活かす>。【考察】学生は体験により、装着直後から<実際の体験>を通して<想像以上の羞恥心><精神的苦痛><体験した患者の不快な思い>を感じることができた。実体験から得たことを、シートに整理・記述する省察を通して、想像や客観ではなく主観として<患者の立場に立つ>ことを経験したと考える。また、排泄の援助にどのような配慮が必要なのか、<患者の立場に立つ>を活かし考えることで<患者への配慮>や<実習に活かす>ことを考えられていた。体験前の講義と体験、体験後のシート作成・省察を含む一連の過程から、ケアを行為だけではなく看護と捉える職業意識を得ることができ<看護師としての患者理解>の学びに繋がったと考えられる。先行研究では対象理解、援助理解と看護的視点の広がりに繋がるという報告がされている。本研究においても同様な学びが得られたとともに、看護師を目指す学生の職業意識を涵養する機会となる事も明らかとなった。