第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター5群 ポストコロナ社会の看護への示唆~労働環境整備~

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:松嵜 美紀

[ポスターY-5-2] 看護職員の働きやすさに関する調査

―コロナ禍前後を比較して―

沼田 琴枝, 武田 深雪, 佐々木 悠里, 菊地 久美子, 中村 由紀, 竹林 和恵 (盛岡市立病院)

Keywords:就業意欲、COVID-19、労働環境改善

【目的】COVID-19(以下コロナ)対応を行う病院の看護師を対象にコロナ前とコロナ禍について調査を行い、働きやすさに関わる要因を明らかにし、必要な改善策を見いだす事を目的とした。【方法】令和4年8月時点でA病院に3年以上勤務し、研究参加に同意を得た82名の看護師を対象とした。「職場の『働きやすさ』評価尺度-病院スタッフ看護師用-」を使用し、コロナ前(令和2年7月以前)とコロナ禍(令和2年8月以降)について5段階評価で回答を求め比較した。各項目の改善してほしい程度については4段階評価で回答を求めた。本研究は、A病院倫理委員会の承認を得て実施し、参加者が不利益を被らないよう管理し分析した。【結果】コロナ前(112.5)とコロナ禍(111.0)の総得点に有意差は見られなかった。先行研究の総平均値は3.12に対し、A病院の総平均値はコロナ前2.97、コロナ禍2.95であった。コロナ前、コロナ禍ともに「私と同僚の間には助けてほしい時に助けてもらえる関係がある」「私の職場には快く相談にのってくれる同僚や上司がいる」が評価の高い2つであった。コロナ前、コロナ禍とも「定刻通りに出勤し退出できる」「スタッフの負担が公平になるように仕事や休暇が配分されている」が評価の低い項目であった。コロナ禍の方が有意に低かった項目は、「突然の勤務変更や超過勤務の要請は少なく私的な計画を立てやすい」「患者に十分な看護が提供されている」であった。改善して欲しい程度が最も高い項目は「スタッフの数は仕事の質と量に見合っている」であった。【考察】コロナ前とコロナ禍で総得点に有意差がみられなかった理由として、コロナ禍にコロナ前について同時に調査を行った事が要因として考えられる。人間関係はコロナ前コロナ禍とも良い評価であり、維持していく努力が必要である。コロナ禍では、職員の感染による突然の勤務交代、感染症病床職員の確保のため勤務体制の変更があり、平等に休暇や仕事が配分されない事への不満がある事が示唆され、スタッフの数と仕事の質および量については早急に改善していく必要があると考える。先行研究と比較し、働きやすさの評価がコロナ前、コロナ禍どちらも低いことが明らかとなった。より働きやすい職場にするために休暇取得や仕事が公平であり、患者に十分な看護を提供できていると実感できる職場環境を築き上げていく事が必要と考える。