第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター5群 ポストコロナ社会の看護への示唆~労働環境整備~

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:松嵜 美紀

[ポスターY-5-3] コロナ禍における看護職員の就業意欲と意向に影響する要因

武田 深雪, 沼田 琴枝, 佐々木 悠里, 菊地 久美子, 中村 由紀, 竹林 和恵 (盛岡市立病院)

Keywords:就業意欲、就業意向、労働環境改善

【目的】COVID-19(以下コロナ)対応を行う病院の看護師に働きやすさの調査を行い、就業意欲と意向に関わる要因を明らかにし、働き続けられる職場環境を構築するための改善策を見いだすことを目的とした。【方法】令和4年8月時点でA病院に3年以上勤務し、研究参加に同意を得た82名の看護師を対象とした。コロナ禍における就業意欲と意向は4段階評価、意欲の理由は選択肢と自由記載、意向の理由は自由記載で回答を求めた。自由記載項目は、類似性から分類しカテゴリー化を行った。また、働きやすさを「職場の『働きやすさ』評価尺度-病院スタッフ看護師用-」(5段階評価)を使用し、改善してほしい程度は4段階評価で回答を求めた。本研究は、A病院倫理委員会の承認を得て実施し、参加者に不利益を被らないよう管理し分析した。【結果】(選択肢は「」、カテゴリーは『』で示す)就業意欲がある群は28名、ない群は49名であった。ある群の理由は「福利厚生」「人間関係が良好」『仕事に前向き』などで、ない群では「労働環境への不満」『人間関係の不満』などが抽出された。就業意向がある群は47名、ない群は30名であった。ある群の理由は『収入を得る目的』『離職する理由がない』などで、ない群では『他職業への検討』『労働環境の不一致・不満』などが抽出された。働きやすさの総得点は、意欲及び意向がない群はある群に比較して有意に低かった。働きやすさの調査において就業意欲・意向ない群に共通して評価が低い項目は「スタッフの数は仕事の質と量に見合っている」「突然の勤務変更や超過勤務の要請は少なく私的な計画を立てやすい」「スタッフの負担が公平になるよう仕事や休暇が配分されている」「定刻通りに出退勤できる」などであった。【考察】就業意欲のある群・ない群どちらにも人間関係が抽出されたことから働く上で人間関係が重要である事を再認識した。就業意欲・意向がない群に共通して評価が低い項目には労働環境に関する項目が多く、感染症病棟編成により、一般病棟では様々な診療科をみる負担と業務量の増加、院内クラスター発生や職員の感染による急な勤務変更、限られたスタッフで業務を行う負担が考えられる。今後は就業意欲・意向がない群に共通して評価が低い項目を改善、サポートしていくこと、人間関係も含め、心理的安全性を確保できるような職場環境を築き上げていくことなどが必要と考える。